(1)<「1 教育基本法見直しの必要性」について>
[1] 教育基本法見直しの視点として6項目掲げられているが、特に、現行教育基本法では言及されていない、<[3] 家庭の教育力の回復><[4]
「公共」に関する国民共通の規範の再構築>が重要と考える。
[2] 教育基本法見直し不要論に対して、「教育の目的、学校制度の在り方、家庭教育の役割など、教育の根本的な部分について論議を行うことが重要」とされているが全く同感である。教育基本法の見直しについては、是非とも国民的議論をしてほしいと考えている。
(2) <「2 具体的な見直しの方向」について>
[1] 教育基本法見直しに当たって「現行憲法を前提として見直す」ことになったが、現行教育基本法は、制定の経過から憲法と不離一体のものであり、また、憲法で示される国の在り方を支えるものとしての教育基本法であることを考えれば、引き続き憲法も視野に入れた教育基本法の国民的議論を期待したい。
[2] 「教育の基本理念」について、現行の「人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者」「真理と正義」「個人の価値」等に加え、新たに「個人の自己実現と個性・能力の伸長、創造性の涵養」など7つの理念が掲げられているが、総花的で基本理念としての重みが感じられない。教育基本法が日本の教育の在り様を規定する以上、その観点でこの基本理念を精査される必要がある。
貴会が示された i 〜 vii のうち、i 「個人の自己実現と個性・能力の伸長、創造性の涵養について」、iii 「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、道徳心、自律心」、iv
「日本人としてのアイデンティティ(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)と国際性(国際社会の一員としての意識)について」、v 「生涯学習の理念について」の4点に絞って見直しの方向を示すことが適当と考える。以下、7つの理念について意見を述べる。
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