4 今後の改善の方略
(1) 調査結果の概要
  今回の国語科の調査結果から,次のような児童の学習実態と課題が明らかになった。
音声言語による理解,文学的な文章及び説明的な文章の理解,言語事項については,大体が設定通過率や前回の通過率を上回っており,概ね良好である。
  
音声言語による表現については,文字言語による表現を問う形の調査となり,正確な実態を把握することは難しい。今後,各学校で実際に話す場面をとらえて継続的に指導していく必要がある。
文字言語による表現については従来から課題とされてきたが,依然として思わしくない。思考力の育成の視点に立ち,主題や意図を明確にして全体の構成を考えて書くこと,事象と感想,意見を区別して書くことなどの指導を重視する必要がある。
(2) 指導計画作成上の留意事項
各学校が平成15年度の指導計画を作成するに当たっては,校長のリーダーシップのもとに今回の調査結果を重視するとともに,国語科改訂の基本方針を再確認し,確実な言語能力の育成を目指した学習指導が展開できるような取組が必要である。
指導計画を立案するに当たり,適切に表現する力と正確に理解する力とを表裏一体的な関係として捉え,連続的かつ同時的な学習指導の展開を工夫する。
「話す・聞く,書く,読む」などの基礎的な内容は,繰り返し学習していくことができるように指導時間や学習形態などを工夫するとともに,日常生活と関連させながら確実に言語能力が育成できるようにする。
文章表現力の基礎的能力が,確実に育成できるように指導計画を工夫するには,文章の指導過程に応じた学習を展開することや,実際に文章を書く活動を多くとること,文章を書く活動を特別に取り上げて指導することなどを通して,育成する能力を一層明確にする必要がある。
国語の学習は,他教科,道徳及び特別活動,総合的な学習の時間などの学習においても生きてはたらくことを視野に入れ,指導計画,学習内容,学習方法を見直し,効果的,効率的な学習が展開されるよう指導を工夫する必要がある。
教材については,話題や題材についての児童の疑問や課題を積極的に取り上げ,読書を通して自分の考えを広げたり深めたりするような学習活動,体験的学習や課題解決的な学習を工夫するようにする。
*表(話)・・・話す *表(書)・・・書く *理(聞)・・・聞く *理(読)・・・読む

 

資料1(5年B2)
 緑が丘小学校の児童会では、学区のおじいさん、おばあさんたちを招待し、むかしの遊びを教えてもらったり、いっしょに楽しく遊んだりする「むかしの遊び集会」を開くことにしました。
 次の文章は、児童会の委員の人たちが書いた案内状です。この案内状をよく読んで、あとの問いに答えましょう。
 
 「むかしの遊び集会」の計画には、必要なお知らせがぬけています。次の中から必要なものを三つ選んで、その番号を□の中に書きましょう。   (5)
 

(1) 集会の時間は、午前10時半から12時までです。

  (2) 緑が丘小学校までの地図を書いておきます。
  (3) 受付は、体育館の入り口です。くわしくは会場図をごらんください。
  (4) 遊んだ道具は各自が責任をもってきちんと片付けましょう。
  (5) 集会が終わったあとは自由にお帰りください。
  (6) 雨天の場合には、体育館でできる遊びになります。
 あなたが児童会の委員ならば、案内状の(ア)の中には、どのようなことを書きますか。おじいさん、おばあさんたちが喜んで「むかしの遊び集会」に来てくださるような内容の文章を、前の文章とのつながりを考えて、次のげんこう用紙に百字ぐらいで書きましょう。
 なお、読み返して文章を直したいときは、二本線(‖)で消したり、行間に書き加えたりして もかまいません。  (6)
 

 次の文章は、日本人の話し方について説明したものです。よく読んで、あとの問いに答えましょう。

 

 日本人は、相手と向かい合ったときに、おたがいに視線を合わせながら話をすることが苦手だと言われている。

 
 対話中に視線をさけようとすることは、ヨーロッパやアメリカの社会では、自信がないのか、劣等感やうしろめたさの表れと考えられている。一方、日本では、相手の目をじっと見ることは、相手の心の中を読み取ろうとするようで、失礼だとされることもある。視線を交わす・交わさないことの意味に大きな差があると言える。
 
 そこで、話すときに視線が合うことをさける日本人の行動について、日本に住む外国人がどのように感じているかをたずねたところ、次の回答が得られた。
  ア 相手の目を見ないのは失礼だ。
イ 失礼ではないが、話しにくい。
ウ 特にどうとも思わない。
エ 無回答・その他。
4%
38%
54%
4%
 
 
 @この調査では、「失礼だ。」と思う人はごくわずかしかいなかった。Aこれは、アンケートに答えてくれたのが、ふだんから日本人と接する機会の多い人たちであったためであろう。Bそのような人でも、約四割は、やはり「話しにくい。」と答えている。C対話中、気持ちのやり取りの一手段である視線のやり取りが行えないからであると思われる。
 
 ヨーロッパやアメリカの人たちが、気持ちのやり取りの手段として、対話中にさかんに視線を交わすのに対して、おたがいの視線を交わすことをさける日本人は、しきりに「うなづき」を用いる慣習がある。ちょっと観察すればわかることだが、相手の話を聞いているときに、絶え間なく、うなづきや「うん。」「ええ。」などの相づちを打っている。この相づちやうなづきは、ほとんどの場合は「あなたのお話を聞いていますよ。」といった程度の合図として使われている。これは、話し手との気持ちのつながりをそこなわないようにする態度の表れだと見ることもできる。