研 究 主 題

第54回北海道大会

大会主題
「新しい時代を拓き、国際社会を主体的に生きる心豊かな日本人の育成を目指す小学校教育の推進」

 全国連合小学校長会は、平成7年度第47回青森大会から、「新しい時代を創 造し、国際社会に貢献する日本人の育成を目指す小学校教育の推進」を研究主題として、実践的に研究を続けてきた。研究に当たっては、科学技術の進歩や 情報化・国際化などにより激しく変化する社会において、これに応える小学校教育の推進を目指して、鋭意努力を重ねてきたところである。  
  しかし、社会はさらに多岐にわたって変化し、特に、政治、経済をはじめ、 教育、科学、文化、産業等のあらゆる分野において、国際的な交流が盛んとなり、新たな世界秩序の確立や平和で豊かな国際社会の維持・発展への努力が強く求められるところとなった。それに伴って、日本に寄せられる期待や果たすべき役割も、一段と大きくなってきた。  
  この時に当たり、本会は、新たなる時代の要請に応える教育の推進のために、これまでの研究の基盤の上に立って、平成14年度からの研究主題を「新しい時代を拓き、国際社会を主体的に生きる心豊かな日本人の育成を目指す小学校教育の推進」と定めた。  
  本研究主題は、中央教育審議会答申「新しい時代を拓く心を育てるために」 並びに新学習指導要領「第1章総則第1」に示されたように、21世紀の新しい時代を迎え、国際社会に主体的に生きる心豊かな日本人の育成を目指して設定されたものである。  
  具体的には、自然や社会、人、文化に直接触れる体験活動により、健やかな心と体を鍛え、自ら考え、判断し、行動することを通して、生きる力をはぐくみ 自己実現を図るとともに、身近な人や他者への思いやりと郷土・社会・国家・ 人類を愛する豊かな心を育てていくことが必要である。
  こうした教育を推進することにより、日本固有の文化はもとより、諸外国の文化に対する理解を深め尊重する国際感覚を身に付けていくことができる。  
  全国連合小学校長会は、本研究主題について日々真撃な研究を重ね、学校経営に生かし、新しい課題に応える教育の推進に全力を傾注したいと考える。  
  研究に当たっては、特に次の事項を重視し、学校経営及び日常の教育活動を通して積極的に研究を推進し実践に努める。

1、 他人を思いやる心、豊かな感性、ボランティア精神などの倫理観を囁い、自然愛、人間愛に満ちた心豊かな人間を育てる。
2、 自然や社会、人、文化などとのかかわりを重視し、互いの人格や個性を専重するとともに、よりよく生きる力としての道徳的実践力を育てる。
3、 国家・社会の一員として社会生活を営む上で必要とされる知識・技能や態度の基礎を培い、よりよく生きる豊かな人間性を育てる。
4、 健康でたくましい精神や体力をはぐくみ、あらゆる困難を克服し、意欲的に行動する強靱な意志や生涯にわたり自主的、自律的に生きる力を育てる。
5、 我が国の歴史や文化・伝統について正しい理解と誇りをもち、郷土及び国への愛情を深め、新しい文化の創造に努める意欲や態度を育てる。
6、 広い視野をもち、世界の人々や異文化に対する理解を深め、国際社会に参加・協力できる能力や態度を育てる。
7、 情報を主体的に選択し活用できる情報活用能力を培い、コンピュータや情報通信ネットワーク等の情報手段が活用できる基礎的な資質や能力を育てる。
8、 地球的な規模での環境やエネルギーについての理解を深め、自分を取りまく身近なところから環境を大切にする実践的な態度や資質、能力を育てる。
9、 学校、家庭及び地域社会における社会連帯意識や奉仕の精神を培い、進んで自己の役割を自覚し、責任を果たす実践的な態度を育てる。