日常的に活用可能な評価規準の改善を行うこと。
 子供の実態や基礎・基本の定着度把握のための学力テストなどを実施すること。

<家庭や地域社会との連携に関して>
  校長の働きかけ 成 果



教育相談の実施
PTA総会やPTA行事で説明
学校評議員への説明
国語科における基礎基本の定着を図る取組に理解
   


授業参観日でのTT,少人数指導の授業公開
学校だよりで活動紹介
校内研究の必要性を理解
教育活動の啓蒙



コミュニティーゲスト,学習サポーターとして参加支援
活動後の感想カード
授業対する意識改革
教師の行動力,交渉能力向上
 基礎・基本を確実に身に付けさせるためには,保護者や地域の方々に経営方針や教育内容をよく説明し,理解と協力を得ることが必要である。そのための校長の役割として,以下のようなことが考えられる。
 校長の考えを学校だよりや,PTA総会・学年懇談会等で直接説明すること。
 実践の成果について,客観的なデータを基にして説明すること。
 授業参観日に,少人数指導(T・T指導)やスキルタイム等の授業を公開すること。
 保護者や地域の方々にゲストティーチャーや学習サポーターとして参加,協力してもらうこと。

III まとめ
1 教育課程の現状
(1) 編成の段階
 基礎・基本を多面的にとらえているが,その中でも基礎学力や意欲を大切に考えている。その定着を図る大切なポイントとして,校長の経営ビジョンのもと,指導体制・指導方法の改善や教師の指導力向上の必要性を強く感じている。
(2) 実施の段階
 基礎・基本の定着を図るため,指導方法の改善や体験活動の充実など様々な工夫がなされている。指導と評価の一体化を図るため評価規準の作成も進んでいる。また,基礎・基本の定着状況を,日常的な教育活動の中だけでなく,学力テストで客観的に把握しようとする姿勢がうかがえる。
(3) 評価の段階
 教育課程の自己評価は,学期末や年度末に全教職員で行っているが,学校評議員や保護者による外部評価を取り入れる動きも出ている。また,自己評価の結果について

は,学校だよりの活用やPTA総会および学級懇談会などでの説明に加えて,学校評議員など外部への公表も行われつつある。今後一層公表化が進むと思われる。
2 基礎・基本の定着を図る上での課題
 最も大きな課題として,「教師の指導力」に関したことを挙げている。以下「指導体制・指導方法」「指導と評価」「家庭や地域社会との連携」に関したこととしている。
 校長として,教師個人の力量の向上と組織としての体制づくりの両面で課題をとらえており,これらの課題を教師と共有し,共に解決に取り組むことができるような一層の指導性が期待される。

3 教育課程改善の校長の役割と指導性
(1) 校長の学校経営ビジョンの明確化  校長は,基礎・基本の定着を図り,確かな力を育てる学校経営ビジョンを明らかにし,教職員との共通理解の場の設定や資料の提供などを通して,経営ビジョンを浸透させるために努力することが大切である。
(2) 学校課題を明確にした教育課程の改善  
 経営ビジョンを推進するためには,それぞれの教育課程の編成・実施・評価における課題を明らかにし,教育課程の改善に努めなくてはならない。
 本研究において,特に校長としての役割と指導性が大切と考えられるのは,以下のことである。

[1]  指導法改善のための研修会の設定や日常的に情報を発信・提供し,教師の指導力の向上と意識改革を図ること。
[2]  基礎・基本の定着を図る取組の様々な工夫について,絶えず評価しその改善を図ること。
[3]  指導と評価の一体化のために活用できる評価規準の 作成に努めるとともに,子供の実態を適切に把握する こと。
[4]  学校だけの取組ではなく,保護者や地域の方々に学校の方針や内容をよく説明し,理解を求めて協力を得ること。

 各学校は,校長のリーダーシップの下,基礎・基本の定着を図り,確かな力を育てる教育課程を編成・実施し,1年が経過した。今,改めて振り返ってみると新たな課題が浮かび上がってきている。
 定着を図るための指導体制・指導方法の改善はもちろんであるが,それを支える教師の課題も大きい。
 この課題を解決し,よりよい教育課程を編成・実施するために,校長自身が一層の研鑽に励み,校長のリーダーシップのもと全職員で歩む学校でありたい。