急激に進む社会の変化に伴い,学校を取り巻く環境は,多様化の一途をたどっている。とりわけ,これからの学校に求められるのは,たくましい日本人を育成するという視点に立って「生きる力」をはぐくむということである。これは,対峙した問題に自ら取り組み解決していく力であり自らを律しつつ他人と共に協調することのできる豊かな人間性でもある。これらの教育課題の解決に対する各校での果たす役割は,特色ある学校づくりとして改善されることに大きな期待が寄せられている。目指すところは,子どもたちが喜んで登校できる「住みよい学校」や教職員が意欲を持って教育に取り組める「活力のある学校」づくりである。それは子どもたち一人一人に「確かな学力」を身につけさせることと「豊かな心」をはぐくむことに向けて,教育活動を一層充実させることに他ならない。
この心豊かな子どもの人間形成に直接かかわり,活力のある学校づくりを推進するためには,指導者たる教職員自身が豊かな人間性を身に付ける必要がある。また,子どもたちに「分かる授業」や「楽しい授業」を創造するには,授業改善のための力量を向上させることが求められる。
学校教育の中で全ての根幹となるのは,当然,授業そのものである。が,その基盤をなすのは,子ども同士の心がつながり合う人間関係であり,教師と子どもとの共感的な信頼関係である。このような関係の成り立つ学級づくりが大事である。また,学校が組織体としての機能を十分に発揮し,教育効果を高めるためには,教職員の協働体制を構築することが大きな課題となる。
本県においては,豊な人間性をはぐくむ学校教育を目標に「思いやりの心を育てる」「心と体を鍛える」「基礎学力の向上を図る」「教師の力量を高める」を大きな柱としている。「進取の気概・溢れる個性 秋田の教育」をスローガンに,夢や目標をもってくじけず立ち向かい,自分の良さや可能性を伸ばす児童生徒の育成を目指すものである。
本市でも学力向上が大きく標榜されている。中学校区を中心とした小・中学校の連携によって進められている。
関係諸機関との連携のもとで行われるこれらの実際に触れながら校長の果たす役割について考察することにした。
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