校長の関わりと指導
○担任を通して本人や家庭へのアプローチ
・欠席状況を把握(電話、家庭訪問等で確認)し逐一報告させ状況に応じた指導・助言をしている。
・温かい人間関係づくりの指導及び校外学習(修学旅行や 宿泊訓練等)への参加呼びかけを指導している。
・担任の家庭訪問により、状況の把握と相互理解を図らせた。訪問を拒絶する家庭もあり、PCによるメールの交換や、電話、手紙等でつながりを保つよう指導した。
・家庭の養育態度や生活リズム等を把握させ、生活習慣の 乱れ等についての指導・助言をした。
○校長自身が本人や家庭へアプローチ
・校長が家庭訪問をし、直接本人及び保護者と面談し登校を呼びかけた。
・校内巡視の折りや清掃時間に、努めて本児に声を掛け、 コミュニケーションを取った。
○プロジェクトを編成して対応
・教育相談委員会等の内部組織を強化して対応し、その中で具体的な指導助言をしている。
○専門機関・相談委員等との連携
・外部組織との連携を指示(ガイダンス教室、フリースペース)
・スクールカウンセラーと担任との話し合いを随時持たせ相互理解と連携指導を指示した。
不登校児に対する校長としての関わりと指導については、基本的に日々の取り組みの中で、担任への種々の指導と助言により、その改善に努めているのが実情である。日々の状況の把握に基づき、対応の仕方・対処の姿勢をその都度指導・助言している。
さらに、校長自身が機会を見て、本人や家庭にアプローチしている取り組みも多い。 |
A調査U不登校(傾向)を解消した具体的な指導例
1、 |
学校内での指導改善の工夫によるもの |
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(1)不登校問題について、研修会や研究会などにより、全教職員の共通理解を図った。 |
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(2)保健室など特別な場所に登校させ、指導した。 |
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(3)担任との触れ合いを多くした。 |
2、 |
家庭への働きかけ |
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(1)家庭訪問や電話等で様々な相談に乗りながら、保護者の協力を求め、家族関係や家庭生活の改善を図り解消へとつなげた。 |
3、 |
不登校の解消及び再発を防ぐ取り組み |
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(1)母子分離不安の児童について、母親の付き添いを認め、暫時馴れてきたところを見計らって、別室で待機
してもらい徐々に母子の分離を図った。 |
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(2) 本児の負担を考え別室での着替え等配慮した。 |
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(3) 友人関係に配慮した。(学級編成、班、席、遊び時間の過ごし方、放課後の活動等) |
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(4) 用事などを意図的に頼み、担任との接点を多くし、 生活の場の広がりに留意した。
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(5) 居場所の確保、活動の場の保障、本人の負担の軽減等常に担任は配慮した指導を行い、身近な存在としての担任との信頼関係の樹立を図った。 |
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(6) 全職員によるさりげない声掛けを意識的に行いながらコミュニケーションをとる実践をした。 |
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(7) 主治医、保護者、担任、教育相談委員長、養護教諭等との連携を密にし、情報を共有し、共通理解を図りながら解消を図った。 |
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校長の関わりと指導
○担任、教育相談主任への指導
・具体的な指導・助言を担任に与え、教育相談主任を通し 職員の対応の共通化を図らせている。
○不登校(傾向)児童への配慮(学校要因の解消)
・進級時の担任の変更又は継続。
・友人関係に留意した学級編成。
○組織機能の向上
・教育相談委員会を重要会議に位置づけ、常時子どもの状況の把握と分析から、対応策を検討させた。
○積極的な校長の対応
・さりげない本人へのアプローチ及び本人の負担や懸念の 軽減に努めている。
○開かれた学校経営の推進
・保護者が気楽に学校へ来られる雰囲気作りに努め、保護者との協働体制を組むために、担任、保護者との懇談会を 定期的に計画した。
不登校(傾向)に陥った要因は複数有り、多岐にわたっている。主要因を特定することは極めて困難な状況にある。しかし、色々な手立てを試行錯誤する中で偶然主要因にヒットする場合もある。そのような場合は比較的短時間で解消しているが、むしろ、要因を詮索するより、現状から如何に好転させるかが解消への近道である。 |
A調査V不登校(傾向)を出さない学校経営
ア 不登校を出さない配慮
1、 |
組織面での工夫について |
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(1)定期的に教育相談委員会を開催し問題行動の早期発見・対処に心がけている。 |
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(2)「子どもを語る会」を毎週実施し問題行動への共通理解と素早い対処を心がけている。 |
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(3)研修会による指導力の向上を図っている。 |
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(4)学年主任会や危機管理委員会等を通して指導の充実を図っている。 |
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