第5分科会<研究課題 共に生きる心をもち,すべての人の人権を尊重する人権教育と校長の在り方>
研究発表題 人権感覚を磨き合い,高め合う人権教育の推進
石川県羽咋市立鹿島路小学校長 山岸芙美
T 趣   旨  
(2) 研究内容  
@ 研究課題(研究発表題)
 羽咋市校長会は,平成13年度より石川県小学校長会研究協議会の第6分科会「人権教育」に取り組んできた。今年度は,全連小第5分科会の研究の視点(1)を基に,「教職員の人権感覚を磨き,高め,人権尊重の精神を育み,互いに尊重し合う望ましい人間関係を築こうとする態度を育てる人権教育」を進めるために,次の3つの視点で研究を進めて行くこととした。
 人権感覚を磨き合う研修活動
 教職員一人一人の人権感覚を高めるふれあい・体験活動
 家庭・地域との連携活動
A 各学校で取り組む実践
 人権を磨き合う教職員の育成に関する研修
 ふれあい活動(人との関わりを大切にする体験活動)

3 具体的な取り組み
 研究を進めるに当たり,初年度の平成13年度は,まず,本市小学校教職員が児童に対してどのような人権感覚を持っているかをアンケート形式で調査した。そして,その結果をもとに,県小学校長会研究協議会で「教職員の人権感覚の高揚の必要性」について発表した。
  昨年度は,「教師一人一人の人権感覚を高めるためのふれあい活動と校長の役割」について県小研究協議会で 発表した。また,15年度の県小研究協議会(東陸小研 究石川大会)での発表に備え,各学校でこれまでに取り組んできた人権教育に関する実践を振り返り,「人権感 覚を磨き合う教職員の育成に関する研修」と「ふれあい活動(人との関わりを大切にする体験活動)」の2つの視点で,校長の関わりなどを意識しながら実践研究を進めてきた。校務研究会では,文部科学省から研究指定を受け研究発表会を開いた小学校長や長年障害児教育に携わってきた小学校長を講師として迎え,「人権教育の進め方」や人権教育を進めて行く上での「校長のリーダーシップや関わり方」について学び,各学校の実践を交流しあった。

  国際化,情報化の進展に伴い,人々の人権問題への関心は高まり,今世紀は「人権の世紀」とまで言われるようになった。しかし,私たちの周りには,依然として差別や偏見など人権にかかわる問題が後を絶たない。
  また,児童の学校生活に見られる人権に関する問題には,教師自身の偏見や配慮を欠く言動に起因していると思われるものがある。
 そこで,共に生きる心をもち,すべての人の人権を尊重する人権教育を進めるには,指導者である教師一人一人が人権を単なる知識としてとらえるのではなく,日常生活の人間関係に根づいた人権感覚を持つことが大切である。この人権感覚は,多くの人と触れ合い,体験的に学習したり研修を重ねたりする中で生きて働く力として高められていくと考える。


U 研究の概要

1 羽咋市小中学校校長会の研究の基本方針
 (小学校校長会8人・中学校校長会2人)
  石川県小学校長会・中学校長会などの基本課題に基づき,21世紀を拓く日本人の育成を目指し,会員相互の連絡を密にして研鑽を積み,活力と特色ある学校づくりに努めている。特に次の3点を重点事項としている。
(1) 教職員の資質向上と学校の活性化に努める。
(2) 地域の実態に即した特色ある学校づくりに努める。
(3) 家庭・地域との連携を強め,開かれた学校づくりに努める。


2 羽咋市校長会の研究  
(1) 研究推進体制

@ 定例研修会・・月1回諸課題の全体協議,実践交流
A 校務研究会・・・・研究推進委員中心に協議
B 研究推進委員・・・企画・資料収集・原稿案作成