平成14年4月、2年間の移行措置を経ていよいよ新学習
習指導要領に基づく教育活動がスタートした。同時に学校週5日制も完全実施され、「ゆとりの中で生きる力を育む」という教育改革の理念の実現に向けた新しい時代に対応した学校教育が全国津々浦々の学校において展開されている。
2年目となる今年度は初年度の成果と課題をふまえ、改革へよりいっそう弾みがついていることと思う。新しい時代の教育を考える時「情報教育」即ち「情報機器による教育活動」を抜きにして学習活動を進めることができない状況になってきていることは周知の事実である。日進月歩、社会環境が激しく移り変わり、科学技術の発達にはめざましいものがある。特にコンピュータ等情報機器は日々進化し続けているといっても過言ではない。
今後はますます高度情報化社会が発展、進歩することが予想される。このような社会の変化に主体的に対応し、「心豊かにたくましく生きる力」を持った子供を育成することが私達の課題である。これからの子供たちには多種多様な情報に対し的確な判断と対応ができる資質・能力が求められている。情報を活用できる能力を育てながら主体的に発信できる子供を育成するためにどのように環境を整備し、効果的な情報機器の活用のために校長がいかに関わっていくべきかが今緊急に求められている。
青森県北五地方は人口5万人程の五所川原市と北津軽郡6町村からなっている。近年児童数の減少から学校の統廃合が進み、現在小学校の数は37校、市内の4校を除けばその多くが中小規模の学校である。「情報教育」「情報機器」という新しい課題・分野について、残念ながら北五地方の校長の多くはこれまで研修の経験が少なく、各校での対応も様々であり、緊急に取り組まなければならない重要課題の一つである。小学校長会の研究会に「情報教育」の分科会が設けられたのは昨年(平成14年度全連小北海道大会、東北連小福島大会)からであり、スタートしたばかりの「情報教育」は未開の分科会である。特に青森県北五地方においては、すべてが手探り状態であり、多くの課題を抱えている地域
であることを認識しながら研究に取り組んでいる。
青森県北五地方は厳しい気候風土ながら、「奥津軽」で育まれた津軽三味線や立佞武多など豊かな文化の発祥の地でもある。