4 研究組織
 青森県北五小学校長会は会員37名、第1から第4の研修部会に所属し、それぞれの部会ごとに課題を設定して研究に取り組んでいる。「情報教育」に関する課題はこれまでの「教育条件」を引き継いで第4研修部会(9名)が担当し、これまでの研究経過を発表することとした。

5 調査項目及び分析と考察
(1) コンピュータの設置等、施設・設備の整備状況
<1>  コンピュータの設置状況
<2>  コンピュータの1台当たりの児童数
 1人に1台の割合が望ましいが、現状の3人以上で使用する場合が65%と教育環境が不十分である。1台当たりの人数が多いほど学習を定着するための時間が増加するし、学習内容も制限せざるを得なくなる。またコンピュータ利用計画にも差が出てくる。
 情報教育環境整備ハンドブック等からの全国小学校 設置台数より低いので、これからも環境整備に力を入 れる必要がある。
<3>  室内ランの接続状況
<4>  ホームページの開設状況
<5>  電子メールの活用状況について
 室内ランは指導上、是非とも必要である。早期に実 現させたい。インターネット接続100%は情報収集には好ましいことである。あとは活用の問題であろう。
 ホームページ開設19%は低いと思われるが、その要因は何なのかを探りたい。
 室内ランにおいては、サーバーを保有してのランシ ステムなのか、インターネットのみのランなのかで、ソフト活用の運用、学習展開方法にも差異が生じると思われる。
 ネットワークされているにもかかわらずメールでの情報交換が今ひとつ活用されていない。
(2) 情報教育及びコンピュータ活用に関する実態
<1>  情報教育の全体計画を作っていますか。
<2>  情報教育の年間計画を作っていますか。
<3>  情報教育ための研修体制を作っていますか。
<4>  コンピュータ、インターネット等の校内研修は、年間にどの程度実施していますか。
 全体計画や年間計画のない学校が圧倒的であり、校務分掌にコンピュータの管理・運営に関わる担当者を位置づけるなどの組織作りが必要である。計画に当たっては、学年の発達段階に応じた操作技能を目標にした指導計画や学級・学年間の格差が生じないように配慮すべきである。
 研修体制作りも十分進んでいるとは言えない。校内研修の中でコンピュータの実技研修や授業実践も取り上げ、全教職員の操作技能や意識の向上に努める必要がある。教師の技術や意識を高めていくことが課題である。また、ハード面の条件整備とともにソフト面の体制作りも重要である。
<5>  コンピュータ・インターネット等を子供たちにどのように使わせていますか。
<6>  コンピュータやインターネット等を利用しての利点は、どのようなものがありますか。(子供たちに影響が大きいものから順に記号で3つ選択してください。)第1にあげられたものを掲載した。
 情報の収集と処理 59%
 学習意欲 38%
 表現力 3%
<7>  コンピュータやインターネット等を利用しての利点は、どのようなものがありますか。(教師に影響が大きいものから順に3つ)第1にあげられたものを掲載した。
 情報の収集と処理 81%
 指導の効率化 11%
 能力に応じて個別指導 8%
<8>  コンピュータやインターネット等を活用するに当たって、どのような問題点がありますか。(複数回答)
 ソフト不足 62%
 コンピュータ等の台数不足 54%
 室内ランやインターネット不足 22%
 どの学校でも有効活用のためには、台数やソフト不足の割合が大きい。解決するには設置に関する環境 整備等も含めて予算面での課題が大きい。
 しかし、希望にそえる台数やソフトを充実させたとしても活用内容が充実するかどうかは、別問題のように思える。
<9>  情報教育を進めるに当たって、課題となるものを上げてください。(複数回答)
 教科等の基礎基本を優先してしまう 43%
 教師が多忙でゆとりがない 43%
 予算不足で環境設備が整っていない 38%
 教師の情報教育への意欲が足りない 19%
 人材不足で情報教育まで手がまわらない 16%
 各学校では、教科の基礎基本の指導が優先され環境整備の充実に力を入れている段階で機器の効率的活用までの配慮が届いていないと思われる。このことは@における全体計画が作成されていないという実態とも合致している。