第10分科会〈研究課題 自然を大切にする心と実践力を育てる環境教育と校長の在り方〉
研究主題: 地域に学ぶ環境教育と校長の在り方
北海道猿払村立浜鬼志別小学校  安田正志
V ま と め
1実践の成果と課題
(1) 成 果
@
 教育課程への位置づけ
総合的な学習の時間に位置づけた取り組み
  地域の特色ある環境を生かした指導計画の作成
小規模校での生活科とリンクした全校での取組
A
 環境教育の充実と児童の変容
地域の特色を生かした「中心教材」の設定
地域環境をもとに教材開発することによる,児童の興味・関心と感受性の高まり
地域の環境に対する認識の変化と深まり
身近な問題に目を向けられるようになってきた
「生きる力」が育ちつつある
  課題を見つける・課題解決の方法を学ぶ
  情報の収集・処理・表現の仕方
  人との関わり方
B 環境教育にかかわる連携の進展
関係機関による教師を対象とした研修の場の提供(宗谷森づくりセンターのグリーンスクール等)
各種学習教材の提供(道庁関係機関)
社会教育との連携(こどもエコクラブ・道立施設における自然観察会)
自治体や地域との連携
山村・海浜留学校の豊かな自然環境を求める父母と環境教育
地域人材の活用(人材バンクの作成)
(2) 今後の課題
@ 教科等間の連携を踏まえた指導計画の作成
環境教育目標の設定
環境教育を意図的・計画的に推進する指導計画の作成
各教科,総合的な学習の時間,道徳教育,特別活動などとの関連の明確化
A 全教職員の共通理解と協力体制づくり
校務分掌に環境教育に関するものを明確に位置づける。
学級担任の意識の高揚と学級経営全体の中での意識的取り組み
B 指導方法の工夫
活動や体験を重視する活動
地域社会において活用できる環境,施設,人材の活用
C 教材の工夫
身近な問題の重視・教師自らが行動で範を示す。
野外学習の重視
映像教材の活用
D 指導者の資質向上
豊かな感受性の育成
日常的な実践交流や研修の設定
地域の環境をとらえ,教材化や実践できる指導力の育成
E 保護者や校区住民への啓発と連携
身近で具体的な活動の場を連携して設定し,児童の参加を促す。
地域の教育力の活用
F 指導の改善を図る評価
環境教育を通して身に付けたい能力,態度の具体化と育てたい子どもの姿の明確化と各教科等の評価の観点との関連を図った評価
評価方法の工夫

2.校長の果たすべき役割・指導性
(1) 教職員の意識改革
ドラマ『北の国から』の主人公のように厳しい環境を生き抜く知恵を教師自ら身に付ける意識の啓発
校長自身の自己研修と校内研修への情報の提供
学校評価の実施と教育活動の工夫・改善
(2)  教育課程への明確な位置付けや指導計画の作成
経営方針への環境教育の明確な位置づけ
環境教育の意義と役割・基本的な考え方・ねらいなどの積極的な提起
地域社会での児童の実践の場の拡充
(3)  家庭や地域社会,関係機関との連携強化,分担に向けた条件づくり
積極的な情報の発信と開かれた学校づくり
人材の活用と連携に向けた条件づくり
地域社会での児童の実践の場の拡充
(4)  活動の裏づけとなる環境づくり(施設・設備・予算)
環境教育にかかわる学校施設・設備の充実のための積極的な行動
関係機関への予算要望と予算の効率的な活用
積極的な校外活動展開のため交通手段の確保等,積極的な渉外事項への関わり