B 成果

 チェックリストを作成し、その観点から全体計画の見直しを図ったことで、環境教育に対する教師の意識の深まりが見られるようになるとともに、具体的な環境教育の教育課程への位置付けの重要性や実践の方向付けが理解された。

C 課題
 各学校の実情や地域の実態を踏まえたよりよい環境教育全体計画を作成し、教育課程に位置付けるとともに、より具体的な年間指導計画に基づいた実践ができるようにする。
D 校長としてのかかわり

 教育課程を編成する際に、チェックリストをもとに検討の手だてを与えたり、具体的な全体計画などの作成手順を示したりした。これも校長としての指導性として重要なことである。

(2) 学校間交流活動の実践
 〜川を仲立ちとした他校との交流〜
@ 交流のねらい
   環境と共に生きるという「共生」をねらいするため、自分が住む地域以外でも環境と人とのかかわりがあることに気付かせ、より広い視野で環境をとらえさせる。
   活動のねらいは異なるが、「時間と場所を共有」することによって、それぞれが「交流」の必要性を知り、実践に結びつく意識の高まりや視野の広がりを持たせる。
A 方法
   活動のねらい
    ○ 各学校がそれぞれのねらいをもって取り組む。
   「時間と場所の共有」の設定
    ○ 時間と場所を共有することにより、子どもたちが取組みの過程において、必然的に交流できることを期待する。
   2校間の交流活動(今年度)
    ○ 広瀬川上流K小の5年生と、広瀬川下流のO小の5・6年生との交流
    ○ 年3回程度の交流
    ○ 方法や内容、情報等の交流
    ○ 2校間の「広瀬川サミット」の開催
    ○ 総合的な学習の時間への位置付け
B 取組みの実際

4月中旬…O小学区の広瀬川での交流活動
K小のねらい−広瀬川の水棲生物調査
O小のねらい−広瀬川の水質調査

5月上旬…K小学区の広瀬川での交流活動
K小のねらい−広瀬川の水棲生物、水質調査
O小のねらい−広瀬川の水質調査、水棲生物
※ 広瀬川を活動の場として、調査対象や手段などその「重なり」を生かした。

5月〜10月…各学校の計画による実践
K小−上流から下流の水棲生物、水質調査
O小−支流の水質調査、環境保全活動

11月…「広瀬川サミット」(交流活動)

12月〜2月…各学校の計画による実践 
K小−環境保全活動、まとめ
O小−さけの放流、まとめ


C 成果
 同じ町を流れる広瀬川の上流と下流の学校間交流活動では、初めはそれぞれが異なる目的に向かって活動していたが、「時間と場所を共有」して、1回目、2回目と交流を重ねるうち、お互いの活動内容や環境へのかかわり方に興味・関心を持つようになった。

 学校間交流活動において、活動の場を行き来することにより、「自分たちの川」という意識が高まるとともに、身近な川に対する視野の広がりが見られるようになった。

 交流活動を展開する中での児童の意識の変化や視野の広がり、活動意欲の高まりに刺激され、教師側の環境教育に対する意識や実践意欲が高まってきた。

D 課題

 現在、K小とO小の児童の交流を中心に実践を展開しているが、今後の子どもたちの意識や活動の広がりをどのように援助し、どのような場を設定していけば有効なのか、学校間の調整をしながら、取り組んでいく必要がある。

 特定の学年で実践している学校間交流活動による環境教育の実践状況を、校内の全教師がとらえることができるような方策を考える必要がある。