ミョウガ栽培を通してゲストティーチャーや地域の人達と子ども達との「ふれあい」が深まったこと。
  地域の人々のくらしや生き様を垣間見て地域を知ることから地域の現状をみつめ、労働の大変さや一つのことを成し遂げる大切さを感じ取ることができたこと。
  ミョウガ作りは勿論,他の分野の産業についても、高齢化が進む中、もっと機械化できないか、もっと楽に仕事ができないかと考えるようになったこと。

C 校長としての関わり
子ども達にとって、自分達の住んでいる地域産業について体験や経験をすることは、将来、子ども達が成長した時に地域の将来や活性化について深く考えるきっかけに繋がることでもある。このことを願って取り組めるよう、職員自身が児童の立場にたって推進する姿勢が大切な責務であると自覚し、地域や保護者の願いを知り、子ども達とのよりよい関係作りに邁進することを職員に常に示唆しているところである。

写真 A ミョウガの手入れ

(2)地域におけるふれあい活動 
〜生涯心に残る思い出づくりを〜
@ ボランティア活動推進事業を受けて
 大深小学校では、子ども達のボランティア精神の向上を目指して様々な実践や活動を行ってきた。特に、平成11年度より3年間、市社会福祉協議会指定のボランティア活動推進事業を受け、子どもと教師が共に積極的に活動を続けてきた。

ア 学校近くの集会所や通学路にベゴニア、パンジー、マリーゴールドなど四季折々の花をプランターに植え、育てる活動を通して地域の環境づくりに力を入れた。

イ 通学路に捨ててある空き缶、ビン拾いやポイ捨て禁止看板の設置等地域の美化運動を推進する。

ウ 毎学期末に、全校児童の手で、学校行事や児童の作文などを盛り込んだ『ふるさと新聞』を制作発行し、児童自身が地域を回って配布。地域との連携を深める。

エ 市内の特別老人施設を訪問し、歌や合奏を披露し、施設のお年寄りとの交流を深めた。またその際、車椅子やアイマスク体験を通じて福祉精神を養う貴重な経験をした。 
A 地域と一体化となった運動会
児童の少ない大深小学校では、市内の他の学校で
は味わうことのできない運動会が開催される。卒業した中学生からお年寄りまで全村民が集い、地域あげての大運動会となる。狭い運動場は人でいっぱいとなり、和気あいあいの一日となる。来賓も大勢駆けつけ、子ども達と共に競技する姿は大深ならではの運動会風景である。しかし、この風景も昨年の秋で最後となってしまった。子ども達の心中はどうだったのだろうか。
B 学習発表会
毎年3月第一日曜日は児童にとっても私達職員にとっても一年の締めくくりとなる「学習発表会」であわただしい一日となる。一年間積み上げてきた学習の成果を地域の方々に見ていただき、次年度へのステップ する場でもある。
特に昨年度は大深小学校最後の発表会ということで、一年間かけて調べ続けてきた『美しい大深のいいとこ調べと大深小の歴史と地域の変遷』について発表する。
懐かしさと幕を降ろしていく学校への想いからか、涙するお年寄りの姿も見られた。          
C 親子野外活動
親と子が野外で共に涙を流しながら玉葱を切り、火を起こして飯盒炊さんに興じる親子の野外活動。日帰りではあるが、日頃、仕事が忙しく会話が少ない親子のふれあいを深めるよい機会として毎年実施してきた。昨年は学校で一泊二日の日程で実施した。 いつものカレー作りに加えてキャンプファイアーでは子どもが工夫を凝らしたスタンツを親や教師が一体となって楽しんだ。生涯心に残る親子野外活動となった。 
D 成果と課題
ア 奉仕的学習や勤労的生産的学習の場や機会を多く持たせることで、物の大切さ、働く人の尊さ、物や人を見る目が養われ、人間としての在り方・生き方を培うことができた。特に「ボランティア活動」が正にそうである。
また仲間同士が宿泊体験を通して心を交わし経験することで、共感性や強調性を養うことができた。
イ 少人数にかかわらず役割分担意識や責任感そして相手を思いやるやさしさという社会性を養うことができた。 
ウ 地域とのつながりにとどまるのでなく、親子のふれあいが深まった