3 交流の実践例
(1)第2学年 国語科
物語文「名前をみてちょうだい」(作 あまんきみこ)
1単元15時間(盲学校の児童が全時間参加)
(2) 活動のねらい
<本校のねらい>
障害のある人でも,多少の配慮することで同じように活動できることを体得させ,思いやりの心を育てる。
<盲学校のねらい>
個別指導中心の授業から一斉指導の授業へ参加することを通して,自分との違いや共通するところを実感させ,社会性や積極性を身に付けさせる。
(3) 活動の様子  
本校担任は必要以上に配慮することなく授業を進める。(挿絵については口頭で説明。発問は板書しノートに,盲学校児童はタイプライターで記録。)  
盲学校の教師はT2を担当し,視覚フォローの個別指導に当たる。
4 実践の成果
(1)
 15時間といった長い時間を共に学習することで,障害を持つ人を特別視することも少なくなり,「障害者は大変だ!かわいそうだ!」という心のバリアーを取り除くことができるようになってきた。
(2)
 身の回りにもいろいろな人がいることに気付き,困った人に声をかけることのできる児童が多くなってきた。
(3)
 盲学校の児童は大勢の中で学習することで,自分に対する自信がつき,社会性も身に付いてきた。

<仙台市立茂庭台小学校>
〜高齢者との交流を通して〜
1 交流の経緯
 本校における高齢者との交流は,1年,3年,4年で実践しており,それぞれの学年に応じて,昔の遊びを教わったり,施設を訪問したりする活動をしている。
2 校長のかかわり
 各種行事や体験学習などにおいて,その在り方が形骸化することのないようそれぞれのねらいを踏まえ,常に改善に努めるよう働きかけている。
3 交流の実践例
(1)
 第4学年 総合的な学習の時間   「福祉施設を訪ねよう」(指導時数12時間)
(2)
 活動のねらい
 地域の介護老人保健施設で生活する高齢者との交流を通して思いやりの心をはぐくむ。

(3)
 活動の様子
 児童に主体的なかかわりを促すために,施の訪問を2回行った。1回目は,施設の仕組みについて話を聞くと共に,そこで生活している高齢者の様子をとらえさせた。それを基に,交流の在り方を計画させ,実の交流会に臨ませた。
4 実践の成果
  状況把握のための事前訪問は,高齢者の生活の様子を知るだけでなく,実際の活動のための施設状況まで確認することができ,見通しを持って交流会計画の話し合いをさせることができた。実際の活動においては,計画通り進んだグループ,そうでないグループと様々あったが,積極的にかかわる児童の姿があった。また,事後の反省においても,実感のある振り返りが数多くあった。
V ま と め
 学校が学校として機能するためには,教科等の学習以前に,まず,子供たちの心の安定が図られ,学級・学校におけるしっかりした人間関係が形成されることが必要である。そのような環境の中で子供たちは,共に学び合い,自己実現が図られてくる。従って,子供たちが楽しく,充実した学校生活を送れるようにするためには,心の教育を学校経営の中心に据えることが大切である。教科だけの学ぶ力でなく,道徳や特別活動を含めあらゆる教育活動の中で,人間としての生き方を学ぶことが肝要であることが改めて確認された。これまでの経営実践等をまとめると次のようになる。
1 多様な人々との交流を図り,共生の機会を多く取り入れることにより,子供たちの人間関係の広がりと他者理解の深化が見られてきた。
2 次に,各研究調査の結果や経営実践を見ると,変化の激しい時代において,各学校では校長のリーダーシップのもと,特色ある学校づくりに種々工夫している様子が窺われた。その中で,特に,校長は,基底に確たる教育観を持って,的確な学校経営に当たることが重要である。そして,それを受けた教職員の熱意のある指導実践の積み重ねがあって,初めて,子供,保護者,地域の信頼を得ることができると思われる。
3 このような経営実践及び指導実践を積み重ねることにより,結果として,「豊かな心」をはぐくむ学校がつくられ,「豊かな心」を持つ児童が育成されていくと考えられる。
 なお,これからも,「豊かな心」をはぐくむ教育の充実と教職員の熱意ある指導に果たす校長の役割の重要性を心して学校経営に当たりたい。
【参考文献】
1
 文部省「小学校学習指導要領解説道徳編」1999
2
 文部科学省「人間力戦略:新しい時代を切り拓くたくましい日本人の育成」2002
3
 文部科学省「体験活動事例集」2002
4
 文部科学省・特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」2003