特別分科会<第2分散会研究課題>父母や地域に信頼される学校づくりを推進する教育改革と校長の在り方
研究発表  学校・家庭・地域の協働化と校長の在り方
〜学校・家庭・地域の連携を通して〜
長野県 豊科町立豊科北小学校  松 村  淨
I 趣   旨  

 現下、社会の変化とともに、豊かな心を育むべき時期に、様々な問題を抱えている子どもたちが依然として多い中、
学校5日制が実施され、子育てに関わる問題が学校だけでは対応しきれない状況になっている。今こそ、豊かな人間性を育むべき基盤となる学校、家庭、地域のあり方の見直しと共に、様々な問題を共有し、三者が一体となって問題解決に当たっていくことが求められている。
 そのために、学校教育現場においては、学校の経営方針、子どもの学びの姿、課題等々について、家庭や地域に理解を求めながら共有化を図ると共に、父母や地域に信頼されるべく、「開かれた学校づくり」を目指さなければならない。
 このことが、家庭や地域との連携・融合を深化、発展していくことであり、信頼される学校づくりを推進していくことになると考えている。
 上記の願いに立ち、本校では、「生きる力」(自ら問題を解決する力、豊かな人間性、健康と体力)の育成を願い、学校、家庭、地域の協働化のあり方を求めながら、信頼される学校づくりに取り組んでいる。

II 研究の概要

1 本校の概要
(1) 本校の位置
   本校は、安曇野の真っ只中、豊科町の市街地の周辺に位置し、学校の周囲は、工場、住宅地になりつつあるものの、田園風景が広がり、校歌にも謳われている ように、常念岳を中心に、アルプスが一望でき、また、近くには、アルプスの湧水が流れる万水川、白鳥が飛来する犀川があり、四季折々の美しさが映える場所である。 
(2) 校長の願い
   自然環境に恵まれたこの地にある学校に赴任して「水と光と緑輝く町 とよしな」、安曇野の広い大地の温もりに抱かれながら、おおらかで、清らかな、たくましい心をもった子どもに成長してほしいと願い、地域に信頼される学校、開かれた学校づくりを目指し、学校・家庭・地域の協働化に取り組む。
(3) 学校経営方針と学校教育目標
  本校の校歌には、「常念岳の おおらかさ みんな仲よく 助けあい ・・・・」「万水川の 清らかさ いつも明るく たくましく ・・・・」「広いたんぼに いだかれて つねにのぞみをもちながら ・・・・」と、謳われている。この校歌に込められた願いに立ち、学校教育目標を「求める」「きたえる」「思いやる」とし、その具現化を図ってきた。このことが、安曇野の自然、大地の温もり、また、人の温もりを感じながら、豊かな心を育み、明日に向かって、たくましく生きていく力(生きる力)の育成になると考えている。そして、学校教育目標の具現化を図るために、「人間尊重」を基盤にしながら、4つの柱を据えた。
  @ どの子も「居場所」「生きがい」「存在感」を実感できる集団づくり(学級学年経営・生徒指導の充実)
  A わかる・できる・楽しい授業の創造(学習指導の改善・充実)
  B 子どもの心身の健康保持増進(健康・安全教育の徹底)
  C 家庭・地域との連携・融合(開かれた学校づくり)
 
2 「開かれた学校づくり」と「学校・家庭・地域の協働化」
(1) 開かれた学校づくり
   「開かれた学校」とは、内に、外に開くことであるが、今求められていることは、「家庭や地域に開く」ことである。学校の経営方針、子どもの学びの姿等々を、家庭や地域に知らせ、学校についての理解を深め、課題等の共有化を図っていくことである。
 今までの学校と家庭・地域との関係は、どちらかというと、学校教育活動のために、「〜してください。」というような、教育活動を推進していくための要望や協力