が多かったように思う。その結果、家庭や地域が、「教育は、学校に任せておけばよい」「子どものことだから、協力してやろう」という意識がいつしか当たり前になってきて、「わが子、地域の子どもの子育てをどうすればよいか」という主体的な子育て意識が薄れ、一方で、「わが子だけは」という意識もあったように思う。
(2) 学校・家庭・地域の協働化
   学校5日制がはじまり、また、様々な問題を抱えている子どもがいる中で、今
までの学校体制では応じきれない状況になってきた。学校、家庭、地域が一体となって、子育てに当たらなければならない時代がきた。
 そのためにも、「開かれた学校づくり」を目指しながら、学校・家庭・地域、三者がそれぞれの役割の自覚を高めながら「地域の子どもは地域で育てる」ことを共有し、三者が連携・融合を深めながら、協働して子育てに当たる「学校・家庭・地域の協働化」を目指さなければならない。

「開かれた学校づくり」を目指しながら、「学校・家庭・地域の協働化」を図ろうとした具体的な取り組み
(1) 学校←→地域との関わりの中で
@ 学校評議員会の設置
  平成14年度、町内5校の小中学校に学校評議員制が導入され、学校評議員会を設立した。
 本校では、広く学校教育について意見を述べてもらうことを目指し、地域から6名の委員(会社役員、医師、民生委員、児童委員、区長、元PTA副会長)をもって発足した。
昨年度の会合は、年2回。1回目の6月には、学校経営方針の説明を中心に、完全学校5日制の実施に伴う学校、家庭、地域の対応及び課題について話し合った。
 学校側からは、学校5日制の趣旨、新教育課程及び週2日の休日に対する対応(北小開放講座への協力)について理解を求めた。
 評議員からは、学校5日制に伴う地域活動の今後の活動のあり方や実施に伴う課題があげられ、特に、地域行事への参加をどのようにうながしていくかが話し合われた。
 2回目の2月には、一年間のまとめとして、学校教育活動を振り返りながら、その成果と課題について、下記の件について報告した。
学校5日制と教育課程の実施状況(前年度との比較)
休日の過ごし方についての参加状況
学力問題についての実態
   1〜2回目の間は、学校行事をはじめ、自由にご来校いただいたり、電話等でそれぞれの委員より、様々な視点から、日ごろ気づいたことなどを報告していただいている。
A 町教育委員会主催による教育懇談会
町内5校、通学区別に町教育委員会主催による地域の方々を中心に教育懇談会が開催された。
教育委員会からは、学校5日制の趣旨、学校からは、学校5日制に関わる課題(休日の子どもの過し方など)などを報告した。
最初の懇談会ではあったが、5日制への関心は高く、活発な意見交換がなされた。5日制そのものへの批判は少なかったが、育成会など地域の役員から、休日における地域活動のあり方が話題となり、各地域の活動状況について報告し合った。
その際、校長は、下記のことについて話した。
学校5日制となり、休日が増えたから、地域
で子どもの面倒を見てやらなければという発想で、活動を考えるようなことではいけない。
休日の過ごし方については、家庭に任すべきであるが、現状を考えると、子どもの休日に家庭で対応できない留守家庭も多く(85戸)、また、留守家庭でなくても、子育てに困っていたり、家の中でテレビゲームに興じて休日を過ごしたりしている子どもも多い。
今、子どもたちに求めたいものは、心の豊か
さ、自ら問題を解決する力、健康と体力である。この視点にたって、異年齢集団である地域の特性を生かした魅力ある活動を通して、地域の所属感・連帯感を高めていくことが大事である。
活動を生み出すためには、大人サイドで活動を決めだすのでなく、子どもも交えて活動を
生み出していくことが大事である。(他地域
での実践例を交えて話す)
B 学習指導における地域の教育力の活用
  地域には、地域文化のセンターとしての施設・設備が多く、また、様々な職種の中でその道に優れた人材も多い。本校では、こうした地域の教育力(人的、物的両面)の活用を図り、豊かな活動と共に、確かな力をつけるねらいでの授業展開に努めている。地域の方々は、快く授業に参画していただいている。また、子どもたちも地域の方々による授業を楽しみにしている。
しかし、教師の意識として、外部講師の方々にお任せしてしまう傾向もあり、外部講師を招いての授業の工夫が一層求められる。