第1分科会 〈研究課題〉 力強く未来を生きぬく人間を育てる学校経営と校長の在り方
研究発表:「教職員の経営参画意識を促す経営ビジョンと
その実際」魅力ある学校づくりを推進する経営の視点から
岩手県 盛岡市立 土淵小学校 細野 龍彦
I 趣   旨
 今、学校は力強く生きる子どもの育成に向け、社会的自立のための家庭を支援し、主体性の育成と個性尊重の教育を目指し、これまでにも増して子ども主体の特色ある学校づくりを推進しなければならない。 完全学校週5日制のもとで新教育課程の全面実施1年が経過した現在、改めてその趣旨と内容を確認し、教育活動や組織運営等の見直しを図り、停滞した経営感覚、現状維持や依存意識等々からの脱却が強く望まれるところである。
 その上で、校長は、新しい時代に対応した教職員の意識改革を促す学校経営ビジョンを明確に打ち出すとともに、教職員の意欲や創造性を引き出しながら、それをひとつに結集し、保護者、地域の求める魅力ある学校、特色ある学校づくりを目指した強いリーダーシップを発揮するすることが期待されているのである。
 こうした校長の広い視野、バランス感覚を持った経営ビジョンこそが、全職員の学校運営への参画意識を高め、活力ある学校を創りあげることになると考える。本研究は、これまでに積み上げられた調査研究や成果と課題をもとに、生き生きとした学校経営のあるべき姿を、いくつかの視点から実践したものである。
II 研究の概要
 盛岡市校長会(小学校部会39校)では、全連小の方針を受け平成13年度より、「自主性・自立性を確立し新しい時代を創る学校経営と校長のあり方」を主題に据え、研究を推進してきたところである。平成14年度は県の研究大会において広く実践を発表し、成果と課題を確認している。今回研究課題の視点が変更されたことで、これまでのテーマを角度を変えながらいっそう深めるための研究を推進してきた。
1 研究のねらい
^ 「生きる力」を育む学校経営の方針策定やその推進の方法はどうあればよいか。
_ 自主性・自立性を確立した学校経営の充実に向けて、教職員の意識化・参画意欲を高める方策はどうあればよいか。
` 魅力ある学校づくりを目指した学校経営の視点と推進の方策はどうあればよいか。
2 研究の年次計画
一年時(平成13年度)
学校経営方針の設定、周知、意識化及び評価について
二年時(平成14年度・・・・県大会発表)
特色ある学校づくりと経営ビジョンの具体化(実績事例の蓄積)
三年時(平成15年度・・・・全国大会発表)
経営参画意識を促すための特色ある学校づくり(実績発表)
3 研究の経過から
初年度(平成13年度)は学校経営方針に焦点を当て、現状把握のためのアンケート調査を基にして意識改革を促す経営方針はどうあればよいかを分析した。校長の求める資質は、教師の指導意欲と使命感、そして学級経営の資質の高まりであること、その育成のため教師個々の実体に合った指導が機会を捉えて行われる方向にあることがわかった。
昨年度は10月の県研究大会発表に向けて、盛岡市内各学校の実情を交流しながら、学校経営方針の充実改善における教職員への意識化をどのように図ったか、その実績を発表した。その中で、特色ある学校づくり、開かれた学校づくりが今まで以上に求められていることから、学校独自の教育活動を地域に向けて意欲的に発信することが必要であることが確認されている。
今年度は、研究の三年時として、教職員の意欲的な経営参画意識を高めるには、特色ある学校づくり、魅力ある学校経営をすることと捉え、その具体的方策尾を実績研究を推信しながらまとめとするものである。