子どもたちを育成していくためには、まず学校が主体性を回復し、教師個々が主体性を確立する必要がある。そのためには、子どもたちと教師にとって、学びの場であり、生活の場である学校が魅力的な存在にならなければならない。言うまでもなく学校という存在の特性は、その学校の歴史的経緯、伝統、地域の地理的、社会的環境、構成員である児童、教職員の人的環境、また、学区内の教育的資源や人的資源などから形成されて来るものであろう。したがって校長は自己の明確な経営ビジョンを持ちながら、学校の置かれた環境をしっかりと把握し、それに対応した戦略を立て、自校の持つ教育的資源を有効利用できるように努めなければならない。
これまでの各校の実践から見えてきたことをまとめてみたい。
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各校がそれぞれの置かれた条件を最大限生かしながら特色ある学校づくりを指向したことが、子どもたちはもとより、地域住民、教職員にとっても魅力ある学校づくりへとつながっている。 |
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学校運営の組織、運営を見直すことにより、教職員一人一人の位置付けや職務内容が明確になり実践への動機づけ、意欲化につながった。 |
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学校の組織の見直しにより、より効率的な教育課程の運営が可能になり、教育効果の向上、教育目標の具現が見られた。 |
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学校経営に対する評価をきめ細かく行うことにより、実践の結果の還流が早く、確実になり、より効率的な学校運営となった。 |
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学校からの情報発信が、埋もれている地域の教育素材、人材、教育力を掘り起こす契機となっている。
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地域の教育力を学校経営の中に生かすことにより、子どもたちと地域の結びつき、教職員と地域の連携、また、父母、地域住民どうしの新たな結びつきも見られ、「開かれた学校」としての機能を果たしつつある。 |
2 今後の課題
学校5日制の完全実施は学校教育に大きな変革を引き起こすもととなった。これまでも本県では学校が地域のセンタ_としての役割を果たしてきた面もあった。しかし、ここに来て学校の持つこれまでの機能はそのままに、より一層の効率的運営と、地域への情報発信を期待されることとなった。今後は、教職員の主体的学校経営への参加のみならず、地域住民の学校経営への参画についての望ましいあり方を求めて実践をしていく必要があるだろう。これからの時代こそが、校長の主体性発揮の機会であり、その手腕が問われる時代である。これまでの慣習にとらわれることなく新しい時代の学校経営にむけて校長こそが主体性を問われているとも言えよう。