第1分科会

学 校 経 営

 研究課題  力強く未来を生きぬく人間を育てる学校経営と校長の在り方
分科会の題旨
研究の視点
 今日、我が国の社会は、国際化、情報化、科学技術の進歩、環境問題、少子・高齢化の大きな変化と地方分権の流れの中にあり、あらゆる分野で改革と新たな挑戦が進められている。
 教育もまた大きな変革期にある。完全学校週5日制の下、ゆとりの中で「生きる力」を育成することをねらいとした新教育課程が全面実施されて2年目に入った。しかし、学校では依然として、いじめ、不登校、学級の荒れなど多くの問題を抱えている。これらは、学校と社会全体が各々の役割を分担し連携する中で、責任をもって解決すべき緊急な課題となっている。
  各学校においては、教育の現状を積極的に受け止め、地域社会とともに新しい時代を拓く教育の実現を目指して、主体的・創造的に学校経営を進める必要がある。教育改革の理念を生かし、力強く未来を生きぬく人間を育てるために不断の努力を続けなければならない。校長として、自らの経営ビジョンの下、学校の特色に応じた経営の全体構想や教職員の組織づくりを確立し、地域社会と連携して独創性のある学校経営を実現していかなければならない。また、外部評価を取り入れながら、学校経営を確かなものにしていかなけれぱならない。
  変化の時代を主体的に生きる心豊かな日本人の育成を目指し、教育改革の理念を生かしながら、特色ある学校教育の創造にこれまでになく大きな役割を果たすことが求められている校長の在り方を明らかにする。
 「力強く未来を生きぬく人間の育成」には、自ら学び自ら考える力を培いつつ基礎・基本の確実な定着を図ることによって築かれる「確かな力」と、新しい時代や変化にたくましくしかもしなやかに対応することができる「豊かな心」の育成が求められる。この「確かな力」と「豊かな心」を育成することを共通の目的として、教職員が一体となって取り組み、評価と改善を繰り返しながら教育成果を上げていくことが重要である。
(1)「確かな力」「豊かな心」をはぐくむ学校評価と経営改善
 自主性・自律性が求められている今日の学校経営においては、学校自身が自らの教育活動を自己点検・自己評価するとともに、地域や保護者の声、児童生徒の声なども採り入れて、教育課程やそれを支える学校組織の在り方などを主体的に改善していくことが必要になる。
 学校評価を踏まえた経営改善に取り組む校長の在り方を究明する。
(2)経営参画意識を高める校長の指導性
 学校が教育目標の具現化に向け組織として教育活動を展開し教育成果を上げるためには、校長の学校経営者としての気概と教職員一人一人の主体的・意欲的な経営参画が欠かせない。
 教職員一人一人の資質・能力を把握しながら学校経営に対する参画意識を高める校長の指導性の在り方を究明する。