特別支援教育については、中教審の答申を受け、平成18年度にも学校教育法の一部改正を含む制度改革が行われる見通しとなっている。このような動向の中で、本委員会では校内支援体制の整備状況、特別支援教育を担当する教員に求められる資質・能力、就学指導の改善・充実方策について調査し、今後の課題を明らかにしようと考えた。
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校内委員会は、9割を超える学校で設置が進められており、形の上での整備はほぼ完成に近付いている。 |
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特別支援教育コーディネーターに関しても約8割の学校で指名しており、着実に進展している。果たしている役割については、校内的な役割が中心であり、対外的な調整機能に関する役割を果たす割合が少ない傾向が続いている。 |
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今回、特別支援教育を担当する教員に求められる資質・能力について、初めて調査を行った。その結果、第一に「LD等を含む障害についての専門的な知識」が挙げられた。今後、特別支援学校教諭免許状(仮称)が創設されるに際しては、小・中学校において特別支援教育を担当する教員についても専門性を担保するための施策推進が強く求められるところである。一方、「授業の企画力、構想力、指導計画の作成能力」について重要視する回答はなかった。しかし、今後はこの面の資質・能力について、もっと重要視される必要があろう。 |
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就学指導の改善・充実方策としては、保護者等への理解・啓発を強化することを望む声が最も多かった。児童への適切な支援が行えるようにするために、当事者の保護者のみならず、障害のない児童の保護者を含めた幅広い人々に対しての正しい理解を普及することに一層力を注ぐ必要が痛感されているといえよう。 |