社会が急速に変化し複雑になるとともに,人々 の価値観は,ますます多様化している。
このような環境の変化に直撃され,社会性や公 共心,思いやりの心の欠如,規範意識の低下,自己中心的な考えや行動,自立の遅れなどが目立つ子供も見られる。結果として,各学校や個々の教師の努力を求めるだけでは解決しきれない問題といえる。
そのため,学校では,一人一人の子供の人格を 尊重し,個性の伸長を図るとともに,他を認める思いやりの心やいたわりの気持ちをはぐくむ教育活動を展開することによって,豊かな人間性や社会の一員としての自覚と責任感を育てる教育を一層進めることが大切である。
子供の豊かな人間形成を図るためには,家庭や 地域社会の大人がこれまで以上に子供とかかわっていくことが大切である。それには,学校・家庭
・地域社会・関係諸機関が密接な連携を図りながら,相互の教育機能を理解し,信頼を深め,協力し合っていくことが必要である。
そこで,学校の全教育活動を通した生徒指導の 機能を生かす取り組みと,家庭・地域社会・関係諸機関との連携について校長としての在り方を明らかにする。 |
子供が互いに認め合いながら,心豊かで主体的に生きる人間関係をはぐくむことが大切である。
そのために,一人一人が存在感を感じることのできる魅力ある学級・学校づくりを教職員が一体となって組織的に進める体制を確立することが急
務である。また,子供とのふれあいを密にし,子供理解を深めながら,「共感的人間関係を基盤にする」「自己決定の場を与える」「自己存在感を与える」の三つの機能を有機的に作用させ,社会の一員として自己実現できるように図ることが大切である。
指導体制づくりをはじめ,生徒指導の機能を生かした教育活動の充実に果たす校長の在り方を究明する。
子供が社会の一員としての自覚と責任感を身に付け,思いやりや正義感などを培っていくには, 家庭・地域社会・関係諸機関それぞれの教育力が今以上に発揮されることが大切である。
そのため,地域の人々にも行事や授業への参加を呼びかけ,学校の様子を広く知らせ,家庭・学校・地域社会の大人が子供と「向き合い」「触れ合い」「語り合う」地域の中の学校づくりを進めることが重要である。
家庭・地域社会・関係諸機関との連携の充実に向けた校長の在り方と指導性について究明する。
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