人として,誰もが安心して自由に生き生きと生活できるためには,社会的条件を問うだけではなく,お互いに多様性を認め合い,差異を超えて協力関係を築いていくことが重要である。
人間形成の基礎を培う小学校教育においては,子供に各教科,道徳,特別活動,総合的な学習の時間など全ての教育活動を通じて,人権尊重の自覚と意識の高揚に努めなければならない。
また,指導に当たる教職員自身が感性を磨き,豊かな人権感覚に裏付けられた言動を率先して行うことが求められる。
これまで学校においては,全ての教育活動を通して,同和問題に関する人権教育を始め,性差,子供,高齢者,障害者,外国人などはもちろん,あらゆる人権問題の解消と望ましい人権意識の育成を目指して取り組んできたが,児童虐待等の新たな人権問題も課題となってきている。
すべての人々が互いに人権を尊重するとともに,共に生きようとする態度を育てることが,人間の自由と平等に関する基本的な問題を解決する上で欠かすことができない。
民主主義国家の基本であり,人類共通の普遍的理念である人権尊重の精神を培うために,校長の在り方と指導性を明らかにする。 |
子供が互いに認め合いながら,心豊かで主体的に生きる人間関係をはぐくむことが大切である。
そのために,一人一人が存在感を感じることのできる魅力ある学級・学校づくりを教職員が一体となって組織的に進める体制を確立することが急
務である。また,子供とのふれあいを密にし,子供理解を深めながら,「共感的人間関係を基盤にする」「自己決定の場を与える」「自己存在感を与える」の三つの機能を有機的に作用させ,社会の一員として自己実現できるように図ることが大切である。
指導体制づくりをはじめ,生徒指導の機能を生かした教育活動の充実に果たす校長の在り方を究明する。
学校においては,子供一人一人が自他の違いを認め,相互の信頼と尊重により自己肯定感を高め,互いの自己実現を図ることによって,差別や偏見を解消し,望ましい人権意識をはぐくんでいくことが重要である。
人権教育の推進に当たっては,単なる知的理解にとどまらず,人権尊重の意識化,態度化を図ることが大切である。
また,教職員も常に人権感覚を養い,指導に当たることが必要である。
人権意識の高揚と実践的態度を育てる教育を推進するために校長としての在り方を究明する。
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