社会の急激な変化に伴って、子供たちを取り巻く環境も、その姿を著しく変えてきている。特に、家庭や地域社会の教育力の低下は、基本的生活習慣の乱れやコミュニケーションの不足などを生み出し、子供たちの「自立と共生」を妨げている面も見られる。また、先行き不透明な時代にあって、将来への「夢と希望」をもちにくい状況にある子供も少なくない。
こうした中、学校では、家庭や地域社会の教育力を積極的に活用し成果をあげているところもある。また、子供を中心に据えた教育課程の編成を心がけ、子供が夢中になる学びを通して、自己や他者を肯定的にとらえながら、「夢と希望」をはぐくむ子供の姿が見られる学校も数多い。現在、学校全体として特色ある教育活動を推進していく力、いわゆる「学校力」が問われている。
学校の特色とは自然ににじみ出るものとよく言われる。目の前にいる一人一人の子供の健やかで豊かな成長を願う教職員が、子供たちの実態を温かく確かな目でとらえるとともに、思いや願いを受け止め、その上で、家庭や地域の特性や要請などを十分に考慮した教育課程を編成するとき、学校の特色は自ずから生まれてくる。特色ある学校で育った子供たちは、自分の個性や他者の個性を大切にしながら、「夢と希望」をもって、これからの日々を生きていくことであろう。
校長のリーダーシップのもと、子供が自らを肯定的に受け止めながら、「夢と希望」をはぐくんでいく特色ある学校づくりを推進していくための具体的方策について明らかにする。
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