TOP全国大会第58回神奈川大会 VII分科会・分散会の趣旨
 

◇第2分科会 BC◇


第2分科会 教育課程U

 研究課題  確かな学力の向上を図る学校づくりへの挑戦
 
趣   旨
研究の視点

 子供の学力の現状については、国際的な学力調査で、成績低位層の増加や、読解力、記述式問題に課題があるなど、低下傾向にあると指摘されている。また、国立教育政策研究所の教育課程実施状況調査では、学校の努力により学力向上に向けた取組の成果も現れ始めているが、学習意欲、学習習慣・生活習慣などは、引き続きの課題でると述べられている。なかでも、学習意欲は、確かな学力の一要素としてとらえられているとともに、子供が自ら課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決していく原動力として、その重要性が問い直されてきた。
 子供は、切実な問題に直面したときや、興味・関心が湧いたときに、学習に意欲的・主体的にかかわり、確かな学力を獲得していく。それは実感を伴った学力であり、しっかりと根づく学力でもある。子供は確かな学力を身に付けることで、より豊かな「夢と希望」をはぐくみ「自立と共生」の基礎を着実に身に付けた、いわゆる「人間力」ある大人へと成長していく。
 校長は、子供一人一人が「自立と共生」の基礎をしっかりと身に付けた大人へと成長していくことを期待し、学ぶ意欲をはぐくむ授業、個に応じたきめ細かな授業の創造など、学習指導要領の趣旨を踏まえた教育の質的な転換を図っていかなければならない。
 校長のリーダーシップのもと、学校全体の教育課程を見直し、確かな学力の向上が図れるような教育課程を編成・推進していくための具体的方策について明らかにする。

 学ぶ意欲をはぐくむ教育課程の編成と推進
  学ぶ意欲は、学ぶことや働くことの意義、生きることの尊さを実感したときや、「夢と希望」と学習が結びついたときなどに喚起される。そのような学習は、子供が積極的・主体的にかかわるものになり、楽しく、わかりやすいものとして展開される。そのためには、教材の開発、地域教育力の活用や専門家の招聘、体験的な学習の導入など、学ぶ意欲をはぐくむ教育課程を工夫する必要がある。その際、基礎・基本の確実な定着、自ら学び自ら考え行動する力の育成などについて工夫することが大切である。
 このような教育の質的な転換を図る教育課程を推進するために、校長に求められる指導性について究明する。

 個に応じたきめ細かな指導の充実を図る教育課程の編成と推進

   現在、個に応じた指導を推進するために、少人数指導、ティームティーチング、習熟度別指導などに取り組む学校が多い。どのような学習や指導法であれ、子供一人一人を見取るきめ細かな指導を進めていくためには、より詳細な指導計画や評価計画を作成することが重要となる。そのような授業の中で、子供は自らをふり返り、自分のめあてをもって、学習に主体的に取り組むようになるのである。
 このように子供一人一人に応じたきめ細かな教育課程を推進するために、校長に求められる指導性について究明する。
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