今日のように都市化した社会では、核家族化が進み、地域社会のつながりも希薄になるとともに価値観も多様化している。このような状況の中、豊かな人間関係を通して子供たちを健全に育成することは容易ではない。しかし、地域には、人材以外にも、文化的、歴史的な財産や施設、職業的な生活の営みや自然環境など、様々な教育力がある。学校が家庭や地域に開かれたものになるにつれて、これらの教育力が掘り起こされ、学校を通して生かされるようになっている。
子供たちの健全育成のためには、学校・家庭・地域社会の三者がそれぞれの役割を果たしながら連携していかなければならない。家庭は、人格形成の最初の場であり、「自立と共生」の出発点である。地域社会は、家庭や学校を支えるという重要な役割をもつ。地域に住むいろいろな人々と出会い、いろいろな生き方を学ぶことで子供は「夢と希望」をはぐくんでいく。また、学校が地域と交わる体験的・実践的な活動を行うことによって、身近な人々とかかわるようになり、自分を大切にしながら相手を認め尊重する「自立と共生」の生き方を身に付けることができる。
連携が豊かなものになれば、学校・家庭・地域社会がもつそれぞれの教育力も高まってくる。そして、三者の関係も一層深まり、その連携の中で、子供は生涯学び続けることの大切さを理解する。
校長のリーダーシップのもと、学校・家庭・地域社会がパートナーとして、共に学校教育に携わるための具体的方策について明らかにする。
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