今日、交通や情報の急速な発展によって、国と国、人と人との交流がますます盛んになり、世界が身近な存在となってきている。しかし、一方では、相互に解決の難しい問題を抱えている国々や、理解が十分できていない国々もある。国内においても、外国籍の子供が急速に増加し、全校の半数近くを占める地域もある。一方、外国の人や文化にふれる機会が少ない地域もある。このような地域の状況を踏まえ、各学校では国際理解教育の充実に向けて様々な取組を行っている。
それぞれの地域により違いはあるが、次代を担う子供たちにとって、これからの社会を生きていく上で、国際的な視野をもつことは不可欠である。子供が国際社会の一員であることを自覚するところから、「夢と希望」は大きく広がる。そのことが、より豊かな共に生きる国際社会の実現へとつながるのである。
また、これからの国際社会を生きていくためには、自らに誇りをもち、自立するとともに、異なる文化や考えを尊重する心や態度が求められる。そのためには、児童期から「自立と共生」にかかわる力を育てていく必要がある。この力は人として生きていく上で欠かせないものであり、なかでも互いに理解し合うための、自分の考えを伝える表現力やコミュニケーション能力が重要となる。
校長のリーダーシップのもと、様々な教育活動を通して、国際社会の一員としての意識をもち、世界の人々と共生していく社会を創造する子供を育成するための具体的方策について明らかにする。
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