TOP全国大会第58回神奈川大会 VII分科会・分散会の趣旨
 

◇第10分科会◇
第10分科会 環境教育

 研究課題
      環境への豊かな感性と実践力を育てる学校づくりへの挑戦

 
趣   旨
研究の視点

 近年、大量生産・大量消費型の経済活動が続く中で、地球温暖化やオゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、酸性雨など、地球そのものの存在にかかわる問題が深刻化している。加えて、水質汚濁や大気汚染、ごみ問題など私たちの身近な問題も社会全体で取り組まなければならない喫緊の課題となっている。今、改めて地球の恵みが有限であることを持ち出すまでもなく、環境問題は、食糧問題・人口問題・開発問題とも不可分であり、相互に関連づけながら、世界の人々と手をつなぎ、心を結んで解決していかなければならない重要課題である。
 このような現代社会にあって、多くの子供たちは、ものを大切にしたり自然の恵みに感謝したりする気持ちが希薄になり、気付かないままに浪費と飽食の生活を過ごしている現状にあるといっても過言ではない。したがって、これからの学校教育においては、未来社会を生きる子供たちに環境問題への意識を高めていくことが大切である。その際、自らの生活様式や行動を環境保全の視点から振り返らせることによって、「自立と共生」を基調とした豊かな未来社会を築くことができることに気付かせることが重要である。
  そこで、校長のリーダーシップのもと、子供たち一人一人に人間と環境についての正しい認識を培い、自らの責任ある行動をもって、持続性ある未来社会の創造に主体的に取り組もうとする豊かな感性や実践的な態度を育てていくための具体的方策について明らかにする。

 
 教科等の学習を通した環境教育の推進
 環境問題は、身の回りの問題から地球規模の問題に至るまで多種多様であり、自然や社会、生活様式にかかわる幅の広い問題である。したがって、環境教育は、理科学習や社会科学習など、単一教科の学習だけでは十分でない。各教科や特別活動、道徳を含め、教科関連的な学習や総合的な学習の時間などの学習においてこそ、十分な成果が期待できるものと考えられる。
  そこで、学校教育全体を見通し、計画的に推進する環境教育の指導計画・指導体制づくりのために、校長に求められる指導性について究明する。

 学校を取り巻く環境を活かし、体験的な活動を通した教育の推進
 人がいるところ自然があり、人と自然とのかかわりがある。環境問題の出発点は、日々の生活の中にある。したがって、学校教育においては、まずは身近な環境に対する自らの生き方を見つめ、よりよい行動が取れる生活者を育成する必要がある。そのためには、気付いていなかった身近なところに、恵み豊かな自然を感じ、感動や驚きなど、体感を通した学びを創ることが大切である。
  環境教育のねらいは、環境についての豊かな感性や実践的な態度を身に付け、未来への「夢と希望」を大きくはぐくむことにある。そこで、学校を取り巻く環境である地域とも連携を図り、体験的かつ総合的な学習を通した環境教育の実現のために、校長に求められる指導性について究明する。
▲ いちばん上に戻る ▲