近年、大量生産・大量消費型の経済活動が続く中で、地球温暖化やオゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、酸性雨など、地球そのものの存在にかかわる問題が深刻化している。加えて、水質汚濁や大気汚染、ごみ問題など私たちの身近な問題も社会全体で取り組まなければならない喫緊の課題となっている。今、改めて地球の恵みが有限であることを持ち出すまでもなく、環境問題は、食糧問題・人口問題・開発問題とも不可分であり、相互に関連づけながら、世界の人々と手をつなぎ、心を結んで解決していかなければならない重要課題である。
このような現代社会にあって、多くの子供たちは、ものを大切にしたり自然の恵みに感謝したりする気持ちが希薄になり、気付かないままに浪費と飽食の生活を過ごしている現状にあるといっても過言ではない。したがって、これからの学校教育においては、未来社会を生きる子供たちに環境問題への意識を高めていくことが大切である。その際、自らの生活様式や行動を環境保全の視点から振り返らせることによって、「自立と共生」を基調とした豊かな未来社会を築くことができることに気付かせることが重要である。
そこで、校長のリーダーシップのもと、子供たち一人一人に人間と環境についての正しい認識を培い、自らの責任ある行動をもって、持続性ある未来社会の創造に主体的に取り組もうとする豊かな感性や実践的な態度を育てていくための具体的方策について明らかにする。
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