科学技術の驚異的な進歩による情報化社会の進展は,IT機器や様々なメディアを通じて,膨大な量の情報を短時間にやりとりすることを可能にした。こうした社会は,価値ある情報を共有できる豊かな情報化社会の実現が視野に入る一方,個人情報の流出という大きな課題にも直面している。学校においては必要な情報を積極的に公開し,地域や保護者の理解を得る開かれた学校づくりが進む中で,個人情報については適切な管理が求められている。
また,共生社会の実現という大きな流れの中でノーマライゼーションが進み,社会の在り方が変わりつつある。これまで特殊教育の対象でなかったLD,ADHD,高機能自閉症等の子供も含めて,支援を必要とする児童生徒に対して,子供の持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するために,適切な教育や指導を通じて必要な支援を行う特別支援教育が大きく注目されることになった。特殊教育から特別支援教育への移行は,支援を必要とする子供一人一人が夢と目標をもち,かかわり合いを深めながらたくましく生きていく力を身に付けていくものでなければならない。
本分科会では,それぞれの課題を克服するためには,何よりも学校全体が組織として機能する体制を築くことが重要になり,そうした体制づくりについて,校長の描く明確なビジョンや具体的な方策を明らかにする。
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