今日、急速に変化する社会の中で、子供たちの教育環境も大きく変化してきた。特に、少子化や都市化などにより、子供たちの直接的な体験が減少し、人間的なつながりも希薄になってきている。そのため、自己中心的な言動、思いやりの心の欠如、倫理観や規範意識の低下など憂慮すべき事態が見られる。
小学校においても、いじめ、不登校、非行、授業が成立しない学級の問題など、様々な教育上の問題が生じてきている。こうしたことから、これからの学校教育では、変化の激しい社会を主体的に心豊かに生きていくための基礎となる力をはぐ<むことが強く求められている。
そのためには、学校での全教育活動を通して子供一人一人をかけがえのない存在として認めるとともに、正しい価値観や思考力、判断力を身に付けさせ,生きていく上で必要とされる確かな力と思いやりや正義感など「豊かな心」を育てていくことが大切である。また、完全学校週5日制の下で、子供たちの家庭や地域社会における活動体験を広げるために、多くの大人がこれまで以上に子供の成長にかかわり、連携を深めていく必要がある。
そこで、学校の全教育活動を通して生徒指導の機能を生かす取組と、家庭・地域社会・関係機関との連携について校長としての在り方を究明する。 |
生徒指導は子供一人一人の人格の健全な育成を図るものであり、学校の全教育活動において取り組まなければならない。深い児童理解を基盤に、自ら対象にかかわる力を育成し、他者(相手)の立場で物事を考え行動することの大切さを指導していくことが求められる。そのためには、子供と豊かにかかわり、心を通わせ合う指導が重要である。 |