開かれた学校づくりに関する議論がなされるようになって、保護者や地域住民の学校を見る目が変化し始めている。校長はこれまでも保護者と地域との信頼関係の醸成と密接な連携を重視した学校経営を実施してきたところではあるが、今日の急激な社会情勢の変化と保護者の意識変化という状況は、従前の方策にとらわれない全く新たな観点からの学校経営を模索しなければならない現状となった。
文部科学省は省令の一部改正を行い、学校に学校評議員をおくことができるようにして、保護者や地域の信頼を一層得るための開かれた学校づくりを強力に推進する姿勢を明確に示した。
しかし、学校評議員に関しては「学校評議員を置くことができる」としていることから、全国一斉導入とはなっていないのが現状であるが、導入から3年を経過した時点での現状把握と学校評議員並びに既存の校内組織が果たしている役割を明確にしておくことが必要である。そこで、これまでの実践を基に、教育改革の視点から学校評議員制度の効果と課題を明らかにしていきたい。
一方、各市町村教委の判断で実施可能となった教育施策の側面として「小学校の2学期制」を取り上げる。従前の3学期制を見直し、2学期制を導入するまでの校長の役割と在り方、さらに導入の際の留意点、そしてこの制度がもつ教育効果と課題に触れながら、2学期制が教育改革の趣旨をどのように具現化できるのか究明する。 |
地域の実情に応じた特色ある学校づくり、信頼される学校づくりを考えたとき、「学校評議員制」「2学期制」の導入は、真の教育改革を進めていく上で重要な糸口の一つと考えられる。また、それを実践を通して探っていくことが大切であり、これからの学校教育の中味を変える重要な方策である。 |