豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成するためには、基礎・基本の確実な習得と一人一人の子供の個性を伸ばし、生きる力をはぐくむ、知・徳・体のバランスのとれた創意ある教育活動の展開を目指した教育課程を編成しなければならない。特に新教育課程実施2年目を迎え、それぞれの地域や学校の特性を生かした独自性のある教育課程の編成が更に求められている。
これまでの社会は、ともすれば物質的な豊かさを求め、心の豊かさに十分目が向けられない傾向があった。いじめや不登校等の問題行動の増加、犯罪の低年齢化など子供たちを取巻く状況が著しく変容する中で、子供たちに豊かな人間性をはぐくむことが重要な課題となっている。
豊かな人間性をはぐくむ教育の礎を築き、確かな校風づくりに努めることは、今何よりも先んじるべき校長の責務である。そのために、生涯にわたって主体的に学び続ける意欲や互いに支え合い共に生きることができる人間として調和のとれた成長を目指した教育課程の編成と教育内容の組織化、指導方法の工夫・改善が必要である。
今次教育改革の重要課題は、ゆとりの中で生きる力をはぐくみ、特色ある教育活動を展開する中で豊かな人間性を育成することである。特色ある学校づくりのかなめとしての総合的な学習の時間を組み入れた教育課程の編成とその実施及び21世紀の校風を創る校長の役割と指導性を明らかにする。 |
豊かな人間性をはぐくむためには、自然体験活動や社会体験活動などの豊かな体験活動を積極的に取り入れた教育課程を編成することが大切である。総合的な学習の時間は、地域や学校、児童の実態等に応じて、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開するための時間であり、人や社会、自然などとのかかわりを通して,、主体的、創造的に課題等を解決する資質や能力をはぐくむことが重要である。 |