平成18年度が始まった。どのような年と認識するか。
全連小はこの4年間、活動方針の第一に「新しい時代を拓き、国際社会を主体的に生きる心豊かな日本人の育成を目指す小学校教育の推進」を掲げ、その実現に組織の全力をあげてきた。この方針も4年を終え、残すところ2年である。本年度の神奈川大会、そして平成19年度の岡山大会は、副主題を見据えながらこれまでの成果と課題を集約し、掲げた本方針が全国の小学校でどのように実現しているかを実証するときである。どういう形で、どのように実証していくのか、その結果とともに過程も問われよう。
また、昨年度は活動方針を集約して「力を高め自信と誇りをはぐくむ校長会」を標榜し活動を進めてきた。今日ほど教師の力量の向上が求められているときはない。教師の力量を高めるのは、何といっても校長の重要な責務である。子供の教育に対する情熱、子供が分かり楽しく学習できる授業力、高い信頼を得られる人間性など、教師に求められるものは多い。これらを、教師個々のもてるよさや強みを生かしながら高めていくように指導して育てるのが校長である。目前の子供の教育と共に当たり、時にリードし、教育実践を通して教師を育て、その経営感覚を磨いていかなくてはならない。各学校においてこのように教師の力が高まっているであろうか。教師は自らの教育・指導に自信と誇りをもって子供に向かっているであろうか。育っている子供の姿を通して保護者や地域の人々に説明するときである。
ところで、昨年10月に中央教育審議会が「新しい時代の義務教育を創造する」と題した答申を出した。この答申を受けて文部科学省は、本年1月17日に「教育改革のための重点行動計画」を示した。今後の教育改革における主な制度改革や教育内容・方法の改善についての具体的な行動計画である。これを見ると、平成18・19年度が大きな転換期となることが分かる。そのうちの今後の教育内容・方法の改善については、2月13日に中央教育審議会教育課程部会の審議経過報告が出され、18年度末ごろまでに答申を出し、学習指導要領を改訂する見込みである。
全連小では、これらを見通して教育改革が子供のためのものとなるよう、校長一人一人が今後、自校の学校改革や教育課程の改善に当たって、何をどのようにリーダーシップを発揮していけばよいか、その指標となる「展望と計画」を作成し提供していきたいと考えている。前回の学習指導要領改訂の際に、「弾力化や総合的な学習の時間などで各学校の裁量に委ねられることが多くなったが、果たして学校は自前で教育課程が編成できるのか」とさる新聞から問われた。今回、まさにその答えをすべての小学校で校長が問われよう。平成18年度は、今後4、5年先の中期的な展望をもち、具体的な学校改革や教育課程の改訂に向けた計画を立てて、見通しをもって自主的・自律的な学校経営に当たるときであると認識したい。
平成18年度は、「実証」、そして、「展望と計画」の年である。
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