TOP全国大会第55回宮城大会第9分科会(4)
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第9分科会 〈研究課題〉 情報を選択・活用し、自ら発信する子供の育成を目指す情報教育と校長の在り方
研究発表 
心豊かにたくましく 自ら情報を収集・発信する北五の子供の育成
〜情報教育を推進する校長の在り方〜
青森県 北津軽郡金木町立喜良市小学校  小田川 修 三
  また、授業の様子を見ると「調べ学習」というとすぐインターネットに頼ってしまう傾向にあるが、まずは参考書で調べたり、足を使って調べたり、聞き歩きなどの活動も大事であると思う。そういう観点からみると直接体験不 足やコミュニケーションの不足、読書離れも懸念される。
<6>  教師のコンピュータ活用推進上、懸念していることは何ですか。(複数回答)
 事前の準備等での多忙感
49%
 個人情報管理の問題
22%
 有害情報のトラブル
22 %
 著作権の問題
22%
 不得意教師の疎外感
19 %
 児童との触れ合い不足 14%
 指導力の低下 11%
 教師間のコミュニケーション 0 %
 教師にとって、コンピュータ等の事前の準備で多忙となり、学校週5日制によって学校生活の時間が削減している中で児童との関わりやコミュニケーション不足になるのは問題である。また、時代の要請とは言え、新たな情報教育等の推進によって教師ばかりでなく、児童も多忙感を持つことは予想される。情報教育等の新たな指導内容と普段の授業(基礎基本)を充実させる バランスも大切である。
 B・Dは日本で最もないがしろにされている問題であ り、外国とのトラブルが生じている。活用する校長自らが、より情報社会の常識や危機管理の認識を深める必要がある。
ウ C・E・Gは、コンピュータの活用でいつもつきまとう  課題である。この課題に対するマニュアル、 研修体  制、共通理解を図る必要がある。これらの課題については、これからも数値に関係な く全てを念頭に置いて活用すべきである。
<7>  コンピュータの活用を次年度からどのような方向で考えていますか。
 調べ学習の道具として
68%
 基本操作
41%
 発表の手段
38%
 基礎基本の定着
22%
 他校との交流
19 %
 自由に遊ばせたい 8 %
 これからも「調べ学習」「基本操作」の現状は当分続と考えられる。その理由として、多くの教師は授業の中でコンピュータを利用することが児童の自力解決力や学び方の育成につながると考えているようだということである。
 今後は、教科のソフトの開発と充実を図ることと他校との交流を広げることが、授業の充実につながり、教育的  意義も大きいと考える。
III ま と め
1  コンピュータの設置等、施設・設備の整備状況に関して
 北五地方では平成12年度にも同じような調査をしているが、13年以降に学校へのコンピュータ導入が急速に進展した。インターネットへの接続、ホームページ開設の状況  を12年と14年とで比較すると、インターネット;3校→37校(100%)と急速に整備された。しかしながら、ホームページ開設に関しては2校→7校(19%)であり、条件が整備され改善されてはきているが、情報の発信という点では不十分である。
2  情報教育及びコンピュータ活用に関する実態に関して
 全体計画や年間計画の不備、研修体制の不足などソフト面や人的条件整備の立ちおくれが大きな課題である。また、日常的に機器を効率的に活用させるためには、研修の機会を増やすことも必要であるが、TTによる授業実践の推進や教員の加配が必要不可欠である。現状では教師の多忙感や不慣れ、関心の低さが機器の活用の妨げになっている。メールの利用により仕事量が軽減され、利便性がかなり増すはずであるが…。
3  校長の意識、リーダーシップに関して
 情報の収集はインターネットがきわめて有効であるが、これへの依存が高く、図書やその他の利用が少なくおろそかにされがちである。校長としてこのことへの対応は不可欠であり、機器と図書等の教育環境の整備は今後並立して推進していかなければならない重要課題である。
 ハード面ではある程度充実してきているが、教科指導に時間の多くを取られる学級担任にとっては機器を活用した学習指導にはなかなか手が回らないのが現状である。情報教育支援員の果たす役割が大きく、今後は教職員の研修体制を充実させながらも、機器に熟達した専門職員の配置やTTによる学習形態を進めるなど人事面での対応 が緊急課題である。
 情報教育の推進は単に「情報」の分野にとどまらず、現代の教育課題である「国際化」「環境」「健康福祉」等にも波及し、すべてとは言わないがきわめて多くの課題を解決するための重要な役割を担っていくことになるだろう。
 研修の必要性、身につけさせたい子供の力、情報教育の方向性や教育委員会との折衝、リーダーシップの在り方など校長として解決していかなければならない課題は多々あるが、最大の課題は「校長自身」である。外部講師や堪能な教師に任せっぱなしにすることなく、校長自らが情報機器に慣れ親しみ日常的に活用していく必要がある。
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