TOP全国大会第55回宮城大会特別分科会 第2分散会(4)
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特別分科会<研究課題>父母や地域に信頼される学校づくりを推進する教育改革と校長の在り方
研究発表  学校・家庭・地域の協働化と校長の在り方
〜学校・家庭・地域の連携を通して〜
長野県 豊科町立豊科北小学校  松 村  淨

鯉のぼりを飾る「鯉のぼり集会」が開かれる。
 鯉のぼりは、父ちゃんの会が中心になって地域の方々に、家に眠っている鯉のぼりを寄付していただいた。予想以上の300余本の鯉のぼりが集まり、その一部を飾ったものである。
 子どもたちをはじめ、PTA会員、父ちゃんの会のメンバー、教職員ら、大勢集まり、賑やかな集会となった。子どもたちは、常念岳を背景として泳ぐ、鯉のぼりに歓声をあげていた。親子共々感動の一日であった。
 14年度、15年度も父ちゃんの会が主催し、鯉のぼりをあげることができた。本年度は、学校だけでなく、「地域にある豊科子ども病院で生活している子どもたちにも夢を与えたい」と言う父ちゃんの会のメンバーが、病院の小児病棟前の庭にも鯉のぼりを揚げることができた。朝から雨の中での作業であったが、子どもらも父ちゃん達と作業をし、満足顔であった。
B 校長との教育懇談会
(13.6)鯉のぼり集会を機に、PTA会員から、「学校週5日制、新教育課程などについてもっと理解を深め、PTAや地域としてどのような方向で活動を具体化していけばよいか」校長の考えを聞きたいとの要望があり、PTA主催の「校長との教育懇談会」を開催した。
 下記の点について、説明、具体案などを提案し懇談する。
@ 鯉のぼり集会をしたことにより、学校では、どのような学習が成立したか、教材化と子どもの鯉のぼりに寄せる思いや具体的な学習の事例などを示し子どもの学びの姿を話す。
  国語の事例から、図工の事例から
A 学校5日制の意義や家庭、学校、地域の連携・融合のあり方について話す。
B 「学校が変わる」ということについて、学校の実践や願いを学習事例や具体的な方策を示しながら、学校への理解を深める。
 その後、2月にも懇談会が開かれ、「心の豊かさ」の大切さについて、具体的な授業から話をした。
C 親子サマーキャンプ
  (13,7,20)親子共々、「夏の楽しい思い出づくり」をテーマに企画された。夏休みに海や山へと楽しい企画をし、子どもに楽しい思い出づくりをさせたいのだが、なかなか実現できない家庭が多い実態を踏まえ、父ちゃんの会が主体的に考えてのPTA行事である。校庭がオートキャンプ場と化し、楽しい一夜を過ごした。
 キャンプ終了後、反省の中で、「来年度も是非続けたい」「楽しい企画だったようなので、来年度は是非参加したい」といった親子の感想が多く寄せられた。

   14年度は、13年度の反省に立ち、子どもがもっと主体的に関われるようにと願いながら、食事作りをはじめ、活動の企画を子どもに任せようという基本を踏まえ、楽しさを生み出す活動も加えた。また、本校だけでなく、同じ町に住む子どもたちにも参加を呼びかけ、町内3小学校参加のキャンプができた。教育委員会の方々にも参加をしていただいた。
 主な活動内容は、下記の通りである。
母親の指導による食事作り、中房温泉よりお湯を運び、砂場を掘っての露天風呂づくり、様々な楽しい企画に満ちたキャンプファイヤー、大町博物館の指導員による星座観測、消防署の方々の指導による消火訓練及びはしご車体験、煙体験など。
 15年度は、2年間の実績にもとづいて、中学生を交えての計画が進んでいる。
D その他の活動
  花壇づくり、親子作業、水カンリンバづくり、保護者の音楽会への参加など、親子での活動が展開され、どの活動も夢のある活動ができた。
(2) 家庭←→地域の関わりの中で
   地域と家庭の協働化である。5日制が始まって、各地域では、公民館活動、育成会などが中心となって、様々な取り組みがなされている。活動内容も多岐に渡り、子どもにも計画段階から参加させ、子どもにとって楽しい地域活動が展開し始めている。
 ある地域では、小学校6年生がリーダーとなり、異年齢集団の遠足をすることができた。また、各地域でのお祭りをはじめとする伝統文化、町主催のあずみの祭り、町民運動会、空き缶拾いなどにも大勢の子どもが参加することができた。

III まとめ

 「学校・家庭・地域の協働化」を願いながらの2年間の実践ではあるが、家庭、地域の意識の変化が現れ、主体的に、「わが子、地域の子どもの子育てをどのようにすればよいか」考えて意見を述べたり、活動を生み出そうとしている保護者や地域の方々が増えてきている。
 昨年度、地域活動のあり方について評価され、日本PTA全国協議会会長賞の受賞を機に、PTA会員、今後の活動への意欲を高めている。今後も、「子育てとは」を父母に問うことから、休日のあり方を見直し、三者協働化の方向を一層深めていきたい。
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