TOP全国大会第55回宮城大会第2分科会 第2分散会(3)
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特別分科会 <研究課題>父母や地域に信頼される学校づくりを推進する教育改革と校長の在り方
研究発表  2学期制の実施と学校改革とのかかわり
宮城県 仙台市立旭丘小学校 鈴 木 陽 一
 ただし,2学期制が触媒として機能するか否かは,教師一人一人が,このことを意識した実践をしようとするか否かにかかっている。

A これからの展望
   ここ数年のうちに2学期制あるいは,評価の2学期制(3学期制の形を残したまま,評価だけ2期制にすると,実質的に2学期制の学校経営ができる)が3学期制を採る学校を凌駕すると思われる。しかし,明治以来最大の教育改革が行われた 今,理念の理解・具現なしには,導入しても2学期制は機能しない。従前の枠にとらわれず,教師一人一人が自立し,各校で「自分さがしの旅を扶ける教育」を開発していけば,多様な可能性が生まれてくるし,信頼も厚くなる。
   努力点
  (ア) 基礎・基本を含む総合的な学力育成の成果を検証する方法を探る。
  (イ) 自分の得意とすることを核にし,2学期制のメリットを生かした教育課程をデザインし,授業力の向上を図る。
  (ウ) 自己点検・自己評価・外部評価の在り方等を探る。

5 仙台市立荒町小学校の事例から
(1)2学期制導入までの経緯
@ 「リニューアル荒町プラン」の中で
   平成14年度からの学校完全週5日制と新学習指導要領の完全実施に備え,平成10年度から学校改革に取り組んできた。
   平成11年度は,学校改革「リニューアル荒町」 プランを企画する。プランを進める上でのもっとも大きな課題は,現行の3学期制のままでは,授業日数の少なくなる平成14年度からは,学校全体にゆとりも生まれなければ,子供に生きる力を育てることもできないという結論であった。
   これまで単発型の行事の点在,学習時間が十分に保障されないまま評価に終われる教師と児童,基礎的・基本的な学力や学び方が身に付いていない児童の存在,豊かな感性や心の充実をねらい通りに育てられない体験活動等,課題の多さを痛感していた。学習や行事を通し成長する児童の姿を長いスパンでとらえていくことを確認し,2学期制の導入と合わせて諸活動を見直すことにした。
A 学校改革でめざした学校像
   学校生活全体で,子供たちがのびのびと過ごせる楽しい学校。
   児童が興味・関心のあることにじっくりと取り組める,ゆとりのある学校。
   分かりやすい授業が展開される学校。
   分からないことが自然に分からないと言え,学習につまずいたり,試行錯誤したりすることが当然のこととして受け入れられる学校。
   子供たちの好ましい人間関係や子供たちと教師との信頼関係が確立している学校。
   学級の雰囲気が温かく,子供たちが安心して自分の力を発揮できるような学校。
   友達と教師が共に学び合い活動する中で自分がかけがえのない一人の人間として大切にされ,頼りにされていることを実感でき,存在感と自己実現の喜びを味わうことのできる学校。(これも教育改革の理念である)

(2)ゆとりから追う「リニューアル荒町プラン」                      (発表資料)
 ゆとりと言うと,一面的に時間的なとらえ方で「児童と放課後過ごしたり,教材研究をしたりするゆとり」, 「ゆっくり休めるゆとり」ととらえがちである。だが, 前述Aの学校像に述べられているゆとりは,子供にとっての学校生活でのゆとりであり,突き詰めると学びのゆとりである。
@  時間的ゆとり
  連続した学びの時間の確保のための2学期制の導入
  モジュール編成の指導計画・時間割
  改訂型年間単元一覧表
  行事の改変・精選
A  内容的ゆとり
  ア 基礎・基本となる学力の定着
  イ 自ら学び,自ら考える力
  ウ 多様なかかわりと豊かな人間性
  エ きめ細かな評価
B 空間的ゆとり
  ア 多様な人と場のかかわり
  イ 多様な指導方法と場の工夫
  ウ 道徳教育の充実

(3)学校改革に果たした校長の役割
@ 急変する教育改革情報の提供
 職員会議や打ち合わせなどの機会に,教育改革情報を提供した。
A 2002年委員会の立ち上げと支援
 学校改革プランを企画するにあたって,教頭を中心とする「この指とまれ方式」の“2002年委員会”を立ち上げた。その中で2学期制も生まれたが,学校管理規則の壁があり,評価2学期制で案を進めた。校長として,教育委員会へ問い合わせや働きかけを行った。
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