そのためには、各学校では「わかる授業」「個に応じた指導の充実」を進めることが大切である。文部科学省では「学びのすすめ」を公表したが、各学校では創意工夫した教育活動を展開してほしい。また、確かな学力を身に付けるために、絶対評価を重視し、指導の改善に結びつけることが大切である。そのため、子どもの学習状況を客観的に評価する方法や評価規準を作成していくようにしてほしい。また、国立教育政策研究所で実施した教育課程実施状況調査の報告書が5月に出された。指導法の改善に活用してほしい。今年度も、学校を無作為に抽出して実施する予定である。 総合的な学習の時間については、各地ですばらしい実践が行われているが、どう指導したらいいのかわからないという声も聞かれる。文部科学省では、実践事例集を作ったり、「総合的な学習の時間の応援団」や「IT授業実践ランド」をホームページで開設している。また、「学力向上アクションプラン」という名称で各種の事業も展開している。これらを利用して学力向上に取り組んでほしい。
(3) 豊かな心の育成について
子どもの社会体験・生活体験が少なくなってきている今、命を大切にする心や規範意識等を育てることが大切であり、そのために学校では道徳教育の充実が求められている。指導体制の工夫や家庭・地域の協力を得て、子どもの心にひびく道徳授業を進めてほしい。文部科学省では「心のノート」を配布したが、その活用事例集を作成している。また、「心の先生」の事業も拡充している。これらを活用して道徳の授業を一層充実させてほしい。 また、体験活動の重視ということで「体験活動の事例集」を作成したり、「豊かな体験活動推進事業」を実施したりしている。これらも活用し、取り組みを進めていってほしい。
生徒指導については、暴力行為・いじめ等は減少傾向にあるが、不登校は増加し、憂慮すべき状況である。スクールカウンセラー配置等の施策を充実させたり、不登校の指導資料を作成したりしていく。
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