TOP全国大会第55回宮城大会第2分科会 第1分散会(1)
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第2分科会<研究課題>基礎・基本の定着を図り,「確かな力」を育てる教育課程の編成と校長の在り方
研究発表:基礎・基本の定着を図る
教育課程改善のための校長の役割と指導性
宮城県 名取市立愛島小学校 佐藤正行
 「家庭や地域社会」との連携に関して
家庭学習の習慣化(宿題の出し方について助言)
情報の共有化(通信表の改善,学力テスト実施)
学校だより,学級だよりの活用
地域素材,人材の活用
 「指導と評価」に関して
学力テストの実施と活用への助言
評価規準の作成への助言
2  基礎・基本の定着度を把握するための方法
 校内授業研究会などでの子供の様子(62名)
 定期的な提出物(週案・通信表)(59名)
 職員会議などでの情報交換(49名)
 教室訪問など日常的な巡視(32名)
 総合的な学習の時間での子供の様子(31名)
 日常的な教育活動の中で,子供の実態を把握してい こうとする姿勢がうかがえる。また,子供の実態把握に市販の学力テストを実施している学校は,管内では19校であった。

<評価の段階>
[1]  教育課程の自己評価(自己点検)の状況
 教育課程の自己評価は学期末や年度末,全教職員参 加による評価が行われている。約1割の学校では学校評議員や保護者などによる外部評価を取り入れている。
[2]  自己評価の結果についての説明責任の状況
 3割の学校が公表しており,公表の方向で検討中の 学校を含むと管内の8割が実施の方向で進んでいる。
 公表の方法として「学校だより」「学級・学年懇談会」 が最も多い。次に「学校評議員会」「PTA役員会」「PTA総会」と続いている。中には,子供一人一人のデータ,指導の手だてなどさまざまな資料を作成・配布している学校も見られた。

(2) 基礎・基本の定着を推進する上での課題(1年実施後)
[1]  「教師の指導力の向上」に関して
教師自身の基本的な指導技術の力不足 (板書,チョークの使い方,ノート指導など)
教材研究や授業の準備不足
基礎的・基本的事項についての理解不足
指導力,課題意識に温度差
[2]  「指導体制・指導方法」に関して
学校行事,打合せの時間との兼ね合いからの実施時数の確保
児童の実態把握と学習プリントの改善
学習意欲の持続化
指導方法の工夫と計画的実践の継続
担任とTTという関わりが多く,学校全体としての取組不足
[3]  「指導と評価」に関して
 
評価規準作成が一部未整備
評価規準の適切な活用ができない
[2]  「家庭や地域社会との連携」に関して
学校からの働きかけが一方通行
保護者や地域への啓発不足
地域素材・人材の活用
理解・協力してくれる保護者の固定化
多様な価値観,教育観への対応

(3) 実践事例
国語科における基礎・基本の定着を図る取組事例(名取市立那智が丘小学校)
<校長の経営ビジョン>
 本校では開校以来,確かな力の定着のために指導方法 の工夫改善に取り組んできた。平成14年度から3年間 「学力向上フロンティアスクール」の指定を受け,実践 研究の機会を得た。指定を受けた理由は,教師の指導力 の向上と各教科の指導を改善することが子供の学力の向 上につながると考えたからである。
 以下は,子供たちに確かな力を身に付けさせるための 校長としての基本方針である。
[1]  「基礎・基本」や「確かな力」について明確にして研究を進めること
[2]  校内研修を充実させ,教師の指導力向上を図ること
[3]  研究推進のための重点施策
  子供一人一人の実態に応じたきめ細かな指導の充実を図り,確かな力の向上につながるように以下のことについて実施する。
 実態把握のための標準学力テストの実施
 指導技術向上を目指した授業研究会の実施
 個に応じたきめ細かな指導体制の工夫改善
(TT,少人数指導,部分教科担任制)

算数科における基礎・基本の定着を図る取組事例
(亘理町立亘理小学校)
<校長の経営ビジョン>
 本校は開校130年目を迎え,教育目標に「心身とも に健康で豊かな児童の育成」に迫るべく三つの目指す子 供像「やさしい子供」「考える子供」「たくましい子供」 を設定し,日々の教育活動に取り組んでいる。学校経営 のキーワードは「信頼関係」「切磋琢磨」「自己研鑽」「開 かれた学校」である。平成13年度からは前年度までの研究の成果と課題,児童の実態,教師の思いや願いを踏まえ校内研究として算数科を取り上げてきた。
 以下は,子供たちに「自ら学ぶ力」を身に付けさせる, 校長としての基本方針である。
[1]  「基礎・基本」「自ら学ぶ力」を明確にした研究の推進
[2]  教師一人一人の力量を高めるための校内研修の充実
[1][2][3][4]
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