TOP全国大会第55回宮城大会第4分科会 (1)
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第4分科会 〈研究課題〉深い児童理解で豊かにかかわり、心を通わせる生徒指導と校長の在り方
研究発表  心を通わせ合う豊かな人間関係をはぐくむ生徒指導
-保護者・地域との連携を通した不登校児童生徒への取り組み-
沖縄県豊見城市立豊見城小学校  山城 直三
T 趣   旨  
U 研究の概要

  本県の不登校児童生徒の人数は、平成11年を境に減少している。しかしながらまだまだその人数は多く大きな課題であり、その対策が求められている。本地区においても、不登校、いじめなどの問題が依然として深刻な状況であり、子どもたちへ心の通い合う生徒指導の一層の充実が求められている。本校においても不登校対策への取り組みは、 毎年校長の学校経営方針を出し全職員で共通確認をし学校、家庭、地域が一体となって取り組んでいるところである。
 不登校には、本人の心理的な状態から学校に行きたくても行けない、つまり、心因性不登校児童生徒がいたり、また、家庭の教育力の不足から基本的生活習慣が乱れ、深夜まで市街地で遊び、非行傾向になって怠学性の不登校に陥る児童生徒も増えている。このような状況をすこしでも改善していくためには、児童生徒本人だけの力でよくしていくには難しいところがある。
 そこで、親の教育力、地域の教育力、教師の正しい児童理解が必要になる。そのためには、子どもたち一人一人に基本的生活習慣を身につけさせる必要がある。
一人で夕食をとったり、朝寝坊をしても起こさない親がいたり、家庭でのあいさつや正しい言葉使いの指導などを親が十分に指導できないなかで、いかにして保護者と協力して望ましい基本的生活習慣を身につけさせることができるかである。地域住民と連携を密にして「わったー学校」(私たちの学校)という、地域の人たちが我が学校、私たちの子との思いの中から家庭、地域、学校がともに連携を通して子どもたちの健全育成を図り、心の通い合う豊かな人間関係を図ることである。また、心因性の児童への対応は、教職員の正しい児童理解に努めるとともに、本市の教育相談員や他の専門機関とも連携を密にしながら子どもたちの心を開き、みるみる朝の太陽の光がさしこめるように彼らの自立への支援を図ることである。 校長として、いかに家庭の教育力をたかめるか、また、地域との連携を通して「わったー学校」つくりをするか、一方、心因性不登校児童への対応の仕方を教職員や教育相談員、養護教諭、その他専門機関との連携を密にして学校家庭、地域はどのような役割を果たしていけば良いか等について実践を通した研究を深めていくことにした。

実践研究の内容       
(1) 実践研究に取り組むことになった背景
 児童生徒のいじめや不登校などの問題が依然として深刻な状況であり、心の教育の一層の充実が課題である。特に、本県(本校区)でもその不登校児童生徒への支援指導の在り方が強く求められている。本県小学校長会では、変化の激しい時代を生き抜く子供たちに、どのような変化に対しても夢と希望を抱き続け、心豊かな日本人を育てたいとの願いを込め、これからの小学校教育において子ども一人一人に豊かな心と知恵を育んでいくことを重視しれている。そこで、沖縄の精神的風土のなかから継承され育んできた「助け合う心」「相互扶助の考え方」を基調とする「ユイマール精神」に学び、地域全体で「わったー学校」の児童生徒を育て支援指導していくことが大事です。そこで本市小学校部会では、学校経営の責任者である校長の立場から不登校児童生徒への支援指導の在り方について次のことを確認した。
  @  基本的生活習慣の定着は、小学校時代から家庭・地域と連携を密にして取り組むこと。
  A  小学校から社会の規範をしっかり守る習慣を身に付けさせること。
  B  青少年の健全育成は、家庭、地域、学校が連携を密にして取り組むこと。
(2) C  特に、心因性の不登校児童生徒への支援指導は教職員の正しい児童理解及び関係機関と連携し取り組むこと
(2) 本県、本校区の不登校児童生徒の実態
@ 不登校児童生徒推移(平成10年以降)
 
平成 年
10
11
12
13
14
小学校
405
458
408
336
 
地区
72
56
56
42
41
本市
20
14
16
12
10
本校
中 学 校
1531
1755
1720
1551
 
地区
259
274
329
226
183
本市
61
70
72
45
34
不登校児童生徒数とは、不登校による欠席日数が30日以上の児童生徒の人数である。
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