TOP全国大会第55回宮城大会第4分科会 (2)
 各県校長会
 全国大会
・第54回北海道大会
・第55回宮城大会
・第56回和歌山大会
 

第4分科会<研究課題>深い児童理解で豊かにかかわり、心を通わせ合う生徒指導と校長の在り方
研究発表 
豊かな心、たくましく生きる力育む生徒指導の在り方
不登校問題解消への取り組みをとおして
山形県米沢市立三沢西部小学校 渡部和雄
2、 指導面での工夫について
  (1) 友達がいて、自分を受け入れてくれる集団がある。 学級集団の中に自分の活躍する場、心の居場所がある そんな温かい学級づくりを実践している。
  (2) 分かりやすく分かるまで指導する授業の実践。
  (3) 児童会活動、縦割り集団活動で個々に活躍の場を、設定し自己決定や存在感を持たせている。
  (4) 体験活動を沢山取り入れた学習活動により、本物に触れる喜びと豊かな関わりを通し、共感的な心情を 育てている。
  (5)「子どもと語る会」を計画し、個々の悩みや相談に乗り心のケアにも心がけた指導をしている。
  (6) ゆとりある日課により、業間の遊びや放課後の課外運動を奨励し、心と体を鍛えている。
3、 保護者・地域との連携について
  (1) 学校だより、学級だより、HP等により情報を定期的に提供し、保護者や地域より理解を得ている。
  (2) 参観日の保護者懇談会を、保護者が主体となって進める方式に替え、テーマに沿って自由な雰囲気の中で話し合える場に変えた。
  (3) 欠席児童には必ず担任が電話連絡を取り、可能な場合には家庭訪問をして見舞う等一人ひとりを大事にした指導を行っている。
  (4) 自由参観日をもうけ登校時間から下校の時間まで終日学校を開放し、地区の方々、祖父母等の参観も受け入れ、情報の双方向化を図っている。
  (5) 地域の子育て支援としての、地区開催の行事へ子ども達の積極的な参加を呼びかけ、教職員の自主的な参加や協力を声掛けしている。
  (6) ほとんどの地区で地区懇談会を計画し、学校と保護者、地区民との意志疎通を図っている。
 イ 不登校傾向児を不登校に陥らせない方策

1、

係り活動や行事において、子ども達に決定させる場を意図的に仕組み、責任を持って最後までやらせることにより、存在感や成就感を意識させた。
2、 グループや課題別学習、体験活動、GTを招聘した授業改善等により分かる授業の創造に努めた。
3、 子どものサインや友人関係の変化から、問題行動の早期発見に努めタイムリーな指導に心がけた。
4、 保護者との連絡を密に取り、問題行動の未然防止を図っている。

校長の関わりと指導
○楽しい学校・学級づくりに向けた指導 ・助言
・縦割り集団、兄弟学級等での外遊びを奨励し友達作りや仲間づくりを奨励した。
・学級経営案の改善を図り、個々に応じた指導・支援計画の作成を指示した。

○朝、昇降口での挨拶と観察
・一人ひとりへの声掛けを実践、その反応から健康状態や心理状態を観察し指導に生かした。
・小規模校では昇降口の挨拶の中で欠席児童が把握でき担任への指示及び状況把握に効果的である。
○分かる授業づくり、環境づくりへの支援
・TTによる指導、体験を豊かに取り入れた学習、地域の方々を先生として招いての授業等、学習が分かり、楽しい授業の創造を指導した。
○ 指導力を向上させるための支援
・研究会、研修会、講演会等への積極的な参加を奨励し研鑽を指示した。
○主任クラスの指導
・定期的に学年主任会を開催し、学年間の情報交換及び、学年内の課題への具体的な取り組みについて指導・助言を している。
○不登校傾向児童を抱えた担任への指導・支援
・不登校解消チャートを生かしながら具体的に対処の仕方について指導・助言し、コンタクトは家庭訪問により取るよう指導した。
○保護者を対象とした啓蒙指導
・参観日やPTAの会合等において、経営方針や目指す子供像の説明を行い、理解と協力を得ている。
○危機意識の喚起
・不登校はどの子にも起こる可能性がある。日々個々を大切にした指導に心がけるよう指導している。

 不登校を出さないための教育や学校経営をしているわけではないが、楽しい学校経営、分かる授業づくりをしてゆけば、子どもは学校に魅力を持って登校してくる。子どもは進歩や上達する自分を意識し、知的欲求が満たされるとき大きな喜びを感じる。
  個々に存在感を持たせ、自己決定の場を与え、子どもに寄り添った共感的指導がキーワードと考える。

 C調査W新たな取り組みによる好転事例
 ア 新たなアプローチ(他校の実践を参考として)

1、

保護者、祖父母同伴での登校を認め、担任を替える又は継続させる等不登校児への配慮に心がけた。
2、 母子分離不安児童の指導に教頭(女性)があたり膝に乗せて読み聞かせをするなどスキンシップを取りながら、徐々に母親から引き離し、教室への興味をかき立て解消させた。
3、 担任が毎日電話や家庭訪問(家を回る程度)を行い短時間でも登校するよう促した。登校できたときは、担任との信頼関係を保つため、本人の出来る範囲の作業量を与えフォローした。
[1][2] [3] [4]
▲ いちばん上に戻る ▲