TOP全国大会第55回宮城大会第5分科会 (2)

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第5分科会 <研究課題>共に生きる心をもち、すべての人の人権を尊重する人権教育と校長の在り方
研究発表:「自他の違いを認め合い、共によりよく生きようとする子どもの育成と校長の在り方」

福島県金山町立金山小学校  物江 伸夫

T 趣   旨  
 そこで、自他の違いを認め合う心をはぐくみながら、お互いの個性を尊重し、共によりよく生きようとする実践的態度を育て、人権意識を高めるために、校長として学校教育全体の中で、具体的にどう進めていけばよいかを明らかにするものである。
U 研究の概要 
1 研究のねらい
 「ひろく豊かな心をはぐくむ人権教育」を推進するために、今までも教科や道徳等で実践されてはいたが、新教育課程が全面実施となった今、総合的な学習の時間や地域社会行事等とも関連させながら全教育活動を通して実践すべき時代となっている。しかも、情報開示や説明責任が言われる中、人権尊重の教育は、保護者や児童のプライバシーとも深く関わるので、十分に慎重を期しながら推進すべきである。
  そこで、「自他の違いを認め合う心をはぐくみながら、お互いの個性を尊重し、共によりよく生きようとする実践的態度を育て、人権意識を高める」ために、校長として学校教育全体の中で、具体的にどう進めていけばよいかを明らかにするため、アンケート調査や実践例を通してその手がかりを探りたい。
  次の視点から、実践研究に取り組むことにした。
(1) 人権教育を推進するための学校経営
地区の実態調査(26校の校長と教務主任・研修主任へのアンケート)と分析
課題解決を目指す計画立案(3年次計画)
実践例に基づく研修
(2) 自他の違いを認め、尊重し、共に生きようとする人権感覚を磨く教育活動
身近な生活の中にある偏見や差別等の理解と人権感   覚を養い、人権を尊重し合い高め合う集団の育成
(3) 人権意識を高める校内研修やトライアングル(学校・家庭・地域)による教育活動
学校生活や社会生活における人権問題に関する教職員・保護者の人権感覚を高める教育活動の工夫
 「人権教育」とは「人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動」(人権教育・啓発促進法第2条)を意味している。そのため、学校教育においては、これまでも常に人権を尊重した教育活動を展開し、それぞれの学校の教育目標の実現をめざして、しかも、人間としての心の触れ合いがあり、安心感や信頼感の持てる真に楽しい学校生活のために努力してきた。しかし、これからの国際社会を生きる子どもたちは「21世紀は人権の世紀(人権の21世紀)」といわれるようにこれまで以上に人権尊重に基づいた行動が求められる。
 小学校においても、児童の発達段階に応じて人権尊重の理念に対する理解を深めこれを体得することができるようにすることが大切になってきている。福島県教育委員会では、第5次福島県長期総合教育計画の重点施策の視点の一つに「人と共に」を設定し、「豊かな人間性」や「共に学び共に生きる力」の育成を図るために、人権教育を重点施策具体化の事業として、学校教育での積極的な取り組みを求めている。
 そこで、自ら学び考える力や豊かな人間性を備えた子どもの育成を図るためには、人権教育のねらいである人権意識を高める教育活動をこれまで以上に計画的・組織的に推進していくことが大切である。更に、こうした学校での実践を地域へ発信し、地域社会の人権意識を高めたりその環境浄化に努めたりしながら人権教育の補充・深化・統合を図ると共に、生涯学習の視点から、学校の中で学んだことを社会生活の中に生かし、自ら実践していく機会や場を設定していくことが重要である。  
  そのためには、その基盤となる人権意識をふまえた「ひろく豊かな心をはぐくむ」ことを全教育活動を通して推進すべきであり「自他の違いを認め合い、共によりよく生きようとする子どもの育成」に努めなければならない。
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