TOP全国大会第55回宮城大会第10分科会 (4)
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第10分科会〈研究課題 自然環境を大切にする心と実践力を育てる環境教育と校長の在り方〉
研究発表:
環境に主体的・創造的にかかわる子どもの育成
〜川を中心とした学校間交流活動を通して〜
福島県 川俣町立山木屋小学校  二瓶洋允
E 校長としてのかかわり

 2校の交流活動の計画・実践にあたっては、学校間の調整が大切になってくる。交流活動の意義の確認や全体計画への位置付けなどの判断は校長がして、実践活動についての連絡調整は担任に委ねるようにした。

 実際の交流活動では安全管理要員や相談者として参加することにより、交流活動の効果を確認する機会とした。

 校長も活動をどう発展させるかなどを担任とともに考え、担任を支援するという立場でかかわり、担任の実践意欲を高めた。

(3) 教師による学校間交流の実践
 

 今年度は「学校間交流活動」と並行し、もう一つの方策としての「教師による学校間交流」を行った。

@ 交流のねらい
  教師の環境教育に対する意識を高める。
  「学校間交流活動」を視野に入れた環境教育の推進を図る。
A 取組みの実際
  地区校長会での環境教育のねらい、交流の意図の確認
  「環境教育主任会」の開催
  飯野町3小学校の環境教育主任及び校長
  環境教育の日常化に向けての現状の確認
 
環境教育のねらい、基本方針の確認
 
環境教育の全体計画、年間指導計画の確認
 
学習成果の日常化の現状
  交流の意義とその必然性
  学校間交流活動に向けての各学校の具体的な取組みの可能性
 
ねらい、情報交換、協力学習、協働学習
B 成果
 他校の実情や実践の内容を知ることにより、環境教育に対する意識が深まるとともに、交流の意義や必然性の共通理解がなされ、交流の基盤づくりがなされた。
C 課題

 環境教育主任会で話し合われたことを各学校にどのように広げ具現化していくか、その具体的な手だても考えていく必要がある。

D 校長としてのかかわり

 「環境教育主任会」という場を設定し、各学校の環境教育への取組みの実情や日常化の状況、学校間交流活動の可能性などを話し合うことで、各校の今後の環境教育の方向性や環境教育に対す理解が深まったと考える。このような場を設定し、自校の環境教育だけでなく、他校の実践状況を知らせ、意欲や意識を高めていくことは、校長の指導性として大切なことである。

V まとめ
 
  本地区校長会として、隣接する2つの町全ての小学校の環境教育における実情を探り、環境教育に対する教師の意識や児童の実践意欲が高まるよう、実践を推進してきた。また、校長会として、3年間というスパンで「環境教育」に取り組む筋道を構築しながら、校長の在り方を明らかにしようとした。
1  成果
   「環境教育全体計画チェックリスト」による見直しを図ることにより、各学校の環境教育全体計画、及び年間指導計画が整備されてきた。
   総合的な学習の時間の「環境教育」の実践では、各教科・領域等との関連を持たせ、それまでの学年で学習したことを生かし、「知の総合化」を意識した実践がなされるようになった。
   他を意識した環境とのかかわりにも目を向けた「目指す環境教育」を明確にすることにより、実践の方向性が意識され、校長会としても、また各学校の取組みも見通しがもてるようになった。
   「学校間交流活動」が近隣の学校の児童及び教師の交流という方向で実践され、環境教育に対する理解や意識の深まり、広がりが見られるようになった。
2  課題
   各学校の環境教育の推進にあたっては、「目指す子ども像」を具現していくために、それぞれの実情に即した学校間交流活動をどのように調整し展開していくか、また、教師全体や地域にどのように発信し、広げていくか、校長としても校長会としても、その方策をより具体的に計画しておく必要がある。
   今後学校間交流活動を進めていく上で、財政措置も含めて地教委との協力体制や連携をどのように図っていくか検討する必要がある。
3  校長としてのかかわり
   環境教育の実践の方向性と見通しを持たせることや実践者である教師の相談相手になりながら、児童が意欲的に取り組む姿を実現できるよう支援や方策を講じていくことは、校長としての指導性の一つと考える。
   各学校の校長が連携を図り、共通理解のもとに3年間のビジョンを持って環境教育を推進することは、校長としてのリーダーシップを発揮する上で大きな自信になるものと考える。



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