TOP全国大会第55回宮城大会第1分科会(1)
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第1分科会 〈研究課題〉 力強く未来を生きぬく人間を育てる学校経営と校長の在り方
研究発表:「教職員の経営参画意識を促す経営ビジョンと
その実際」魅力ある学校づくりを推進する経営の視点から
岩手県 盛岡市立 土淵小学校 細野 龍彦
 具現化にかかわる学校の指導のねらいの理解の一助ともしている。また、PTA広報部と提携し、折々の父母の要望に応えた情報提供も行っている。
 地域行事への参加 子供たちが自分たちが生まれ、住んでいる地域を良く知ることは大事なことである。PTA、教育振興運動の取り組みテ_マにも地域を良く知る運動を取り上げている。総合学習など地域学習で の地域の人々との交流、町内会の夏祭りなど親子揃っての地域行事への参加(学校側も招待される)、また、地元に伝わる伝統芸能の学習を通して、子供たちはより郷土理解を深めていく。
[2] 成果
 地区懇談会への参加、校報の発行等を通して父母との情報の共有化、共通理解を図れるだけでなく、事前には教職員の共通理解、学校の経営方針の確認の機会ともなる。
 地域行事、地域学習を通して子供たちのみならず、教職員も地域の方々と触れ合う機会が増え、相互理解が図られ、学級経営などにも大きな効果がある。
[3] 課題
 地域行事等、父母の参画意識の高まりが見られるが、適正規模を保ちつつ、新鮮さを失わない取り組みの見通しを、地域指導者と共に、学校側もきちんと持ちたい。
[4] 校長の関わり
 PTA役員のみならず、町内会長、民生委員などの地域リーダー、また公民館、老人福祉施設などの公的機関との連絡調整は、校長の大きな仕事である。
 地域の教育力の活用については、学校、地域の伝統を踏まえつつ、明確な見通しを持つことが大事である。
 地域の願い、要望を受け入れつつ、学校側の実態、児童、教職員の考えを捉え、方針を提示したい。
 教職員の共通理解を図るとともに、地域の方々に学校側の意図することもきちんと伝え、理解を得る努力も大事である

III まとめ
1 明らかになった成果
 盛岡市校長会はこの3年間、新しい時代の要請に応える学校経営を求めて実践を積み重ねてきた。価値観が多様に変化し、ますます国際化が進むこの時代に、主体的、意欲的に生きる
子どもたちを育成していくためには、まず学校が主体性を回復し、教師個々が主体性を確立する必要がある。そのためには、子どもたちと教師にとって、学びの場であり、生活の場である学校が魅力的な存在にならなければならない。言うまでもなく学校という存在の特性は、その学校の歴史的経緯、伝統、地域の地理的、社会的環境、構成員である児童、教職員の人的環境、また、学区内の教育的資源や人的資源などから形成されて来るものであろう。したがって校長は自己の明確な経営ビジョンを持ちながら、学校の置かれた環境をしっかりと把握し、それに対応した戦略を立て、自校の持つ教育的資源を有効利用できるように努めなければならない。
 これまでの各校の実践から見えてきたことをまとめてみたい。
(1)
 各校がそれぞれの置かれた条件を最大限生かしながら特色ある学校づくりを指向したことが、子どもたちはもとより、地域住民、教職員にとっても魅力ある学校づくりへとつながっている。
(2)  学校運営の組織、運営を見直すことにより、教職員一人一人の位置付けや職務内容が明確になり実践への動機づけ、意欲化につながった。
(3)  学校の組織の見直しにより、より効率的な教育課程の運営が可能になり、教育効果の向上、教育目標の具現が見られた。
(4)  学校経営に対する評価をきめ細かく行うことにより、実践の結果の還流が早く、確実になり、より効率的な学校運営となった。
(5)  学校からの情報発信が、埋もれている地域の教育素材、人材、教育力を掘り起こす契機となっている。
(6)  地域の教育力を学校経営の中に生かすことにより、子どもたちと地域の結びつき、教職員と地域の連携、また、父母、地域住民どうしの新たな結びつきも見られ、「開かれた学校」としての機能を果たしつつある。
2 今後の課題
 学校5日制の完全実施は学校教育に大きな変革を引き起こすもととなった。これまでも本県では学校が地域のセンタ_としての役割を果たしてきた面もあった。しかし、ここに来て学校の持つこれまでの機能はそのままに、より一層の効率的運営と、地域への情報発信を期待されることとなった。今後は、教職員の主体的学校経営への参加のみならず、地域住民の学校経営への参画についての望ましいあり方を求めて実践をしていく必要があるだろう。これからの時代こそが、校長の主体性発揮の機会であり、その手腕が問われる時代である。これまでの慣習にとらわれることなく新しい時代の学校経営にむけて校長こそが主体性を問われているとも言えよう。
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