|
取り入れたのは、事実と感想を分けて書くという従来からの観察記録や科学の手法から脱却しようとしたからである。事実も感想も入り混じった作文がまさに総合が求める記録法にぴったりであったからである。
その作文を読むと、その子供が何をし、今何を考えているかがわかる。書くことは考えることであり、子供の学びの進化・発展させる原動力である。また、意味付けや価値付けを作文し記録として残しておくのは、自己評価に役立たせるためである。
その時々の主観的に考え、意味付けたことだからその時々の自分を残してきたのである。それを振り返れば、自ずと自分の成長に気付くのである。だから、自分の思いで書いた作文でなければならないのである。 |
[2] |
子供を進化させる立場・視点の変化
立場を変えさせる手立てを講じ、ものの見方や考え方を深める。「水のしずくになって」「一寸法師になって」など、自分以外のものになって作文を書くことを取り入れている。自分以外のものは、どんな事を見て、どんなことを聞き、何を考えたのだろうかと想像することになる。これが立場や視点を変えさせることを促す。そのため、ものの見方や考え方が深まるのである。 |
[3] |
学びを変化させていく感性・感覚
感性でとらえることを大切にする。1年生の子供はヒツジ小屋をどこにつくるか決めるときに、教師の「場所の声を聞きましょう」という一言で動き出した。駐車場・豚小屋近く、高志が丘の声など、その場所の声を聞き、聞こえたその声を作文に記した。そして、ヒツジにとって最も適切な場所を選んだ。
このように、子供の感性・感覚でとらえる活動を取り入れることによって、子供は、自分らしい解釈、意味付けができるようになっていく。子供は、知識では解釈できなくても、祖先から受け継いできた知恵をもっている。今持ち合わせている能力を最大限発揮することで、生きる力を伸ばしていく。そのため、感性・感覚を正しく位置付けることも、学びを変化させる上で大切なことであある。
|
[4] |
誰にも邪魔されない自分の場所
一人一人の○○を大切にした指導をする。5年生では、「一人一人の田んぼ」、2年生では、「一人一人の畑」という活動の場所を設定した。子供は、作物を育てる手立てを自分で考え、仕事を進めるようになった。「自分の畑」「自分の田んぼ」であるという環境を設定することによって、子供は主体的に動き出す。それは、誰にも邪魔されず、自分で責任をもって活動できる場所が与えられたことを意味する。これは、主体性を育てる上で、一番大切なことである。 |
[5] |
学校を変える子供の思い・願い
子供の選択・意思決定を生かす。受動的な児童会活 |