TOP全国大会第55回宮城大会第5分科会 (1)
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第5分科会<研究課題> 共に生きる心をもち,すべての人の人権を尊重する人権教育と校長の在り方
研究発表題
人権感覚を磨き合い,高め合う人権教育の推進
石川県羽咋市立鹿島路小学校長 山岸芙美
 今回の全連小研究協議会の提言に当たり,各学校の実 践を3つの視点でまとめ,活動の内容,校長の関わりな どを取り上げて紹介したい。
(1) 教職員の人権感覚の実態調査(平成13年度実施)
対象は市内小学校教職員86名
5段階による自己評価

(アンケート集計結果より抜粋)
項       目
5段階平均値
@ 
いじめ等を見逃さず学級で取り上げる 4.6
A
子供一人一人に分け隔てなく,挨拶や言葉かけをする 4.4
B 子供の欠席状況,健康状態に気を配る 4.4
C 子供の話を聞いたり,子供との約束を守る 4.1
D 見せしめ的な叱責をしない 4.0
E 清掃時間などで一緒に協働作業をする 3.8
F 個に応じた授業改善のため十分準備する 3.7
(結果と考察)
@ いじめ・不登校問題には教職員は細心の注意を払い,敏感な対応に心がけている。
A 子供一人一人への挨拶や言葉かけの自己評価はやや低い。挨拶だけでなく,謝罪や感謝の言葉を日常生活で「いつ」「どのように」言うべきかを気づかせ,定着させることも大切である。
B 子供の話を聞くこと・約束を守ること・心身の健康への気遣いなど,一人一人をかけがえのない存在として人格を認めることに対する自己評価は低い。
C 記述式の設問で,人権教育をさらに充実させるためには「教員一人一人の人権感覚の高揚」が一番必要であると思っている教職員が68%いる。
   この人権意識調査でも分かるように教職員の人権感覚は高いとは言えない。
(2) 人権感覚を磨き合う研修活動
@ 人権教育に関する資料をもとにした学習会
 県教委発刊(毎年)の「学校教育指導の重点」を理解し,「人権教育」の指導方針を明確化する。
  (その他の資料例)
C 人権教育副読本・人人人への思いやり(県教委)
C 石川の学校教育振興ビジョン( 県教委)
  基本目標3
「豊かな人間性をはぐくむとともに,健康や体力の増進に努め,たくましい人づくりをめざします。」  
  方針3−2「人権教育の推進」 
@実践できる人権感覚が身に付く人権教育の推進 
A教職員の人権教育研修の充実
@  体罰をなくそう(法務省人権擁護局)
  【校長の関わり】
   人権教育担当者に学期1回は研修会を開くよう働きかけ,年間計画に位置づけた。
 「教師の人権感覚」の自己点検15項目を実施し,日頃の人権感覚や指導を振り返る。
 資料をもとに校外で研修したことを深める。
 例)県の人権教育推進会議に出席した人権教育担当者が中心となり,他校の実践報告書「人権教育への具体的な取り組み」や講話について研修会で報告し,自校の人権教育の見直しなどを行う。
 研究授業や交流学習を通して,特別支援児童への理解を深める。
 ふれあい活動などの実践活動の計画・実施・評価を検証する。
A  児童理解の会       
  月1回又は適宜,学級や学年の枠を超え,児童の日常の動向や気がかりな点を全職員で共通理解し,その後の指導に生かす。全職員が児童一人一人に関心を持ち,関わりを持つように取り組む。
    話し合いの例  
 ・入門期の指導に関する事柄 
 ・不登校傾向児童に関する事柄 
 ・校内のマナーや規則に関する事柄 
 ・特殊学級児童との関わりに関する事柄 
 ・多動傾向児童に関する事柄 
 ・不審者対策に関する事柄 
 ・家庭と児童の関係に関する事柄
 ・その他
  【校長の関わり】
   会の中で,教職員の人権意識が高まるよう,必要に応じて助言している。また,そのような研修体制や環境づくりに向けて,教頭・教務主任・生徒指導担当に計画的に実施するよう働きかけている。
B  人権教育の全体計画と年間指導計画の作成・実施
 学校・地域の実状,児童の実態に応じた全体計画を立てる。
 各学年,各ブロックで具体的な重点目標を設定し各  教科,学活,道徳,学校行事と関連づけた年間指導計画を作成したり,教科・道徳・特活の3領域における人権教育の位置付けを明確にしたりして,日頃の活動の中で具現化する。
  【校長の関わり】
 教職員が,取り組みや指導などについて共通理解を図り,実践活動を点検する機会を持つように進める中で,人権教育を計画的に推進していく。
教職員一人一人が認め合い,共に学び合う体制づくりを心がける。
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