近年,都市化や少子化,地域社会における人間関係の希薄化等が進む中で,人々の価値観・倫理観が大きく揺らぎ,家庭や地域の教育力も低下し,社会全体のモラルの低下傾向も懸念されている。こうした中で,子供の生活環境や子供自身の生活意識は大きな影響を受け,子供の人格の形成に様々な課題を生じている。例えば,生命の軽視,自己中心的な価値観,規範意識の低下,他人を思いやる心の低下などの傾向である。
このような子供たちの現状を踏まえると,学校教育では,子供たちが友達や教師と共に学び合う様々な活動を通し,一人一人に豊かな心をはぐくみ,一人一人がかけがえのない人間として大切にされていることを実感させ,自己実現の喜びを味わえるようにしていく必要がある。
そのためには,特に,障害のある人や高齢者等の,普段子供たちが触れ合う機会が少ない人々との触れ合いをより多く体験させることを通し,多様な人々に対する理解の広がりと深まりを身につけさせなければならない。このことにより,一人一人が自分を見つめ直し,よりよい自己実現が図られると考える。そして,他者理解の深化を図るためには,心身の健康を整え,確かな学力と確たる道徳観を身に付けさせ,知・徳・体のバランスの取れた人間形成を心掛けることが大切である。
そこで,校長として,豊かな心を持つ児童を育成するために,家庭・地域の教育力の支援を受けながら,学校教育の充実に総力を傾けるためには,どのような学校経営を図ればよいかを考えてみたい。
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